ドラゴン・タトゥーの女 (2011)

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 スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラー・ミステリー3部作の1作目『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を、2009年のスウェーデン版に続き今度は「セブン」ソーシャル・ネットワーク」のデヴィッド・フィンチャー監督で再映画化した衝撃のミステリー・サスペンス。40年前の少女失踪事件の調査を依頼された社会派ジャーナリストの主人公が、社会のほとんど全てに敵意を向ける孤独な天才ハッカーのパンク少女と奇妙な協力関係を築き、次第に明らかとなる巨大財閥一族の忌まわしき秘密に迫るさまを、ハードなバイオレンス描写を織り交ぜスリリングに描き出す。主演は「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグ、注目のヒロイン、リスベット・サランデル役には大抜擢となる期待の若手ルーニー・マーラ
 スウェーデンの社会派雑誌『ミレニアム』を発行するジャーナリストのミカエルは、大物実業家の不正告発記事が原因の名誉毀損裁判で敗訴し窮地に陥っていた。そんな時、国内有数の企業グループの元会長ヘンリック・ヴァンゲルからある依頼が舞い込む。それは、40年前に彼が我が子のようにかわいがっていた一族の少女ハリエットが忽然と姿を消した迷宮入り事件の再調査というもの。やがて、調査が暗礁に乗り上げたミカエルは、ヘンリックの弁護士から社会性はないものの驚異的な情報収集能力を持つ小柄な女リサーチャー、リスベットを紹介されるのだが…。(allcinema)
 
2011年
原題:THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO

上映時間 158分
製作国 アメリ
 
誰がハリエットを殺した?
 
監督: デヴィッド・フィンチャー 
製作: スコット・ルーディン オーレ・ソンドベルイ ソーレン・スタルモス セアン・チャフィン 
製作総指揮: スティーヴン・ザイリアン ミーケル・ヴァレン アンニ・ファウルビー・フェルナンデス 
原作: スティーグ・ラーソン 
脚本: スティーヴン・ザイリアン 
撮影: ジェフ・クローネンウェス 
プロダクションデザイン: ドナルド・グレアム・バート 
衣装デザイン: トリッシュ・サマーヴィル 
編集: カーク・バクスター アンガス・ウォール 
音楽: トレント・レズナー アッティカス・ロス 
出演: ダニエル・クレイグ ミカエル・ブルムクヴィスト
     ルーニー・マーラ リスベット・サランデル
       クリストファー・プラマー ヘンリック・ヴァンゲル
       スティーヴン・バーコフ ディルク・フルーデ
       ステラン・スカルスガルド マルティン・ヴァンゲル
       ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン ニルス・ビュルマン
       ベンクトゥ・カールソン ホルゲル・パルムグレン
       ロビン・ライト エリカ・ベルジェ
       ゴラン・ヴィシュニック ドラガン・アルマンスキー
       ジェラルディン・ジェームズ セシリア
       ジョエリー・リチャードソン アニタ
       インガ・ランドグレー イザベラ・ヴァンゲル
       ペル・ミルバーリ ハラルド・ヴァンゲル
       マッツ・アンデション グンナル・ニルソン
       イーヴァ・フリショフソン アンナ・ニーグレン
       ドナルド・サンプター 警部補グスタフ・モレル
       エロディ・ユン ミリアム・ウー
       ヨセフィン・アスプルンド ペニラ
       エンベス・デイヴィッツ アニカ
       ウルフ・フリベリ ハンス=エリック・ヴェンネルストレム 
 
初日鑑賞でしたが、アップするのが遅くなりました。
 
オリジナルがとても面白かったので、もちろん期待はしてたけど、
その期待のひとつがダニエル・クレイグなわけで。
007以外の、普通の男を見られたことで、すでに◎です(*^_^*)
 
まずは内容。
ほぼオリジナルと同じに進みますが、監督こだわりのラストが違うことと、
全体的な印象としては、3部作にならなくてもこの一作で完結しても良いような作りに感じました。
オリジナルでは、リスベットの過去がフラッシュバックのように挿入されていて
何があったか、興味を抱かせていますが、こちらではその部分はカット。
それともうひとつ。
ミカエルの弁護士の妹。ちらっと名前は出てきますが、
オリジナルほどの重要さはありません。
 
枝葉をそぎ落とし、ミカエルとリスベットのみに焦点を当てた内容になっていると思いました。
 
鑑賞前にパンフレットをさっと目を通して気になった部分。
僕にとって大事なのは、連続殺人やヴァンゲル家の秘密より、
中年にさしかかったジャーナリストと、
社会的に人権を奪われた二十歳代のヒロイン、
この、あまりにも違うふたりのキャラクターが
互いをどうやって見つけて、どのように惹かれていくのか、と言う部分なんだ。
原作本がこれほど世界的ヒットになった理由は、美しいラブストーリーでもあったからだと思う。
 
そのコメント通り、やはり作品全体に監督の思いが込められていました。
犯人探しのミステリーの部分でさえ、ミカエルとリスベットの強い絆を感じさせるのです。
 
そしてラスト。
これはもう完全にラブストーリーのラストです。
 
ミカエルは世間慣れした中年の男で、家族も愛人もいる。
事件が終われば、いきずりともいえるリスベットとの関係にこだわるほどではない。
クリスマスに誰と過ごすかなんて、悩まずともいいんですよ。
 
ところが、リスベットにとってミカエルは初めての“友達”
彼女が言うこの“友達”には、普通の“友達”以上の強い思いがあるわけで、
それだけに、目撃したシーンが痛い…。
 
女性には堪らない痛みなのです。
ミカエルは罪な男だ…!
などと思ってしまうくらい、ラブストーリーとして鑑賞してしまっていたことに気がつきます。
監督の目論見に、完全にハマっていたというわけです。
 
ただし、猟奇的な殺人事件のオンパレードだし、
リスベットの後見人との重要なエピソードなどからして、
デートムービーとしてはどうかなと思いますが…(^^ゞ

 
ルーニー・マーラのリスベットは、
オリジナルのリスベットより女性的な匂いがします。
ミカエルと一緒にベッドでPCを見るシーンでは、可愛らしいとさえ思ってしまいました。
ミカエル役のクレイグさんは、モテる中年男が似合う!
メガネをかけたり外したり、本当にどこにでもいそうなんだけど、
こんなにカッコイイ中年はいないか(^^ゞ
 
 
オリジナル通り2,3部と続くとなれば、
フィンチャー監督がふたりをどう描いていくか、興味津津です。