戦火の馬 (2011)

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 巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が第一次大戦を舞台に、軍に徴用され最前線に送られた一頭の馬とその飼い主の青年との友情と奇跡の物語を美しい映像とともに描いた感動ドラマ。マイケル・モーパーゴの同名児童文学を映画化。主演はこれがスクリーン・デビューのジェレミー・アーヴァイン、共演にエミリー・ワトソンデヴィッド・シューリスベネディクト・カンバーバッチ
 第一次大戦前夜のイギリス。農村の小さな牧場で一頭の仔馬が誕生する。その仔馬は貧しい農夫テッドによって競り落とされ、少年アルバートの家にやってくる。そしてジョーイと名付けられた仔馬は、アルバートの愛情を一身に受けて、賢く気高い名馬へと成長していく。しかし戦争が始まると、アルバートが知らないうちにイギリス軍へ売られてしまうジョーイ。やがて、ニコルズ大尉の馬としてフランスの前線へと送られたジョーイは、ついにドイツ軍との決戦の時を迎えたのだったが…。(allcinema)

 
2011年
原題:WAR HORSE
上映時間 146分
製作国 アメリ
 
監督: スティーヴン・スピルバーグ 
製作: スティーヴン・スピルバーグ  キャスリーン・ケネディ 
製作総指揮: フランク・マーシャル  レヴェル・ゲスト 
原作: マイケル・モーパーゴ 
脚本: リー・ホール  リチャード・カーティス 
撮影: ヤヌス・カミンスキー 
プロダクションデザイン: リック・カーター 
衣装デザイン: ジョアンナ・ジョンストン 
編集: マイケル・カーン 
音楽: ジョン・ウィリアムズ 
出演: ジェレミー・アーヴァイン アルバート・ナラコット     エミリー・ワトソン ローズ・ナラコット
    デヴィッド・シューリス ライオンズ          ピーター・ミュラン テッド・ナラコット
    ニエル・アレストリュプ エミリーの祖父        トム・ヒドルストン ニコルズ大尉
    パトリック・ケネディ ウェイバリー中尉        デヴィッド・クロス ギュンター
    ベネディクト・カンバーバッチ  セリーヌ・バッケンズ  トビー・ケベル  ロバート・エムズ 
    エディ・マーサン  ニコラス・ブロ  ライナー・ボック  ジェフ・ベル 
 
 
動物と子供のものは観ないことにしてる。
泣くのが分かってますからね~。
それでも観ようと思ったのは、とにかく馬の演技?が素晴らしいと評判だったからです。
劇場に行ったものの、少々怯えながらの鑑賞となりました(^^ゞ
 
仔馬が生れるシーンから始まります。
バックに流れるフルートの音楽がノスタルジックで、
一気に時代をさかのぼる感覚に襲われました。
その仔馬にほれ込んだ、貧しい農夫が落札します。
でも、農耕馬が欲しかった妻からは返してくるように言われます。
バカなことをしたと農夫は後悔しますが、
その仔馬の誕生を見ていた息子アルバートは、
自分が責任もって育てるからと必死に両親を説得します。
 
その仔馬はジョーイと名付けられ、アルバートに育てられます。
アルバートは親思いで、そしてジョーイも同じように愛情一杯に育てていき、絆が生まれます。
 
ジョーイのおかげで、アルバート一家は何度か救われ、
そして最後には、ジョーイは軍馬として売られていきます。
そこまでが前半。
 
戦争が始まって、軍馬となったジョーイに試練が訪れるのが後半。
 
アルバートからジョーイを譲り受けた大尉。
馬の世話係のドイツ兵の兄弟。
病弱な少女とその祖父。
ジョーイを逃がしてくれたドイツ兵。
戦場から助け出してくれたイギリス兵。
 
戦場と言う過酷な状況であっても、ジョーイを介して存在するのは、みな動物好きな人々でした。
国籍も年齢も立場も関係ない。
動物を前にすると、優しくなれる。
そんな人々によって、ジョーイはアルバートへの道を突き進んでいくのです。
 
奇跡は決して偶然の産物ではないのですよね。
そこに生まれる理由がある。
ジョーイはそういう人々の思いが重なって“奇跡の馬”と呼ばれるわけで、
決してジョーイだけの力だけはないんです。
 
アルバートも、親思い、友達思いの優しく素直な青年。
だからジョーイの信頼を得たわけだし、みんながアルバートとジョーイを応援してくれるわけです。
人は一人では生きていないだよ、と再確認させますね。
 
お馬ちゃんがどれだけ酷い目に合うんだろう、怯えていましたけど、
戦場のシーン、ジョーイが動けなくなるシーンなど、
そんなに直接的に描かれてはいませんでした。
ディズニー作品だからだと、納得します。
親子で鑑賞できるように、あちこちでオブラートに包んで描いているのでほっとはしますけど、
戦争の悲惨さは伝わって来ますし、
泣かせどころはきっちり押さえていると思います。
 
ジョーイは確かに凄い演技をします。
演技と言っていいのかどうか分からないし、
もしかしたらCGなども使っているのかもしれないけど、ジョーイを観る価値はあります。
 
そしてもう一人。
アルバートの母親役、エミリー・ワトソン
出番は少ないものの、印象に残る母親を演じています。
貧しいけれど、夫と息子を愛する美しくて聡明な女性。
理想の母親、妻像だなあ。

ラスト。
スクリーン一面に見事な夕焼けが映し出され、
戦場の暗いシーンから一転、色を取り戻して幕を閉じます。
ストーリーに目新しいものはありませんが、感動できる作品です。
清々しい気持ちになれるラストでした。