ラビットホール

イメージ 1 「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」「ショートバス」のジョン・キャメロン・ミッチェル監督が、「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマンを主演に迎え、愛するわが子を失った母親の悲痛な再生への道のりを繊細に描いたヒューマン・ドラマ。共演にアーロン・エッカートダイアン・ウィースト。本作の脚色も担当したデヴィッド・リンゼイ=アベアーの手によるピュリツァー賞受賞の同名戯曲を映画化。
 閑静な住宅街に暮らすベッカとハウイーのコーベット夫妻。彼らの幸せな日常は、ある日突然一変してしまう。最愛の一人息子ダニーが、自宅前で交通事故に遭い亡くなってしまったのだ。以来、夫婦は同じ喪失感を抱きながらも、悲しみとの向き合い方は対照的で、次第に愛する2人の間にも溝が生まれていく。絶望の大きさを受け止めきれないベッカは、気遣う周囲にも辛く当たるようになる。そんなある日、彼女は息子を轢いた少年を偶然見かけ、思わず彼を尾行してしまうのだったが…。(allcinema)
 
 
 
2010年
原題:RABBIT HOLE
上映時間 92分
製作国 アメリ
 
大きな岩のような悲しみは
やがてポケットの中の小石に変わる。
 
監督: ジョン・キャメロン・ミッチェル 
製作: レスリーアーダング  ディーン・ヴェネック  ニコール・キッドマン 
       パー・サーリ  ジジ・プリッツカー 
製作総指揮: ダン・リヴァース  ウィリアム・リシャック  リンダ・マクドナフ  ブライアン・オシェイ 
原作戯曲: デヴィッド・リンゼイ=アベアー 
脚本: デヴィッド・リンゼイ=アベアー 
撮影: フランク・G・デマルコ 
プロダクションデザイン: カリーナ・イワノフ 
衣装デザイン: アン・ロス 
編集: ジョー・クロッツ 
音楽: アントン・サンコー 
音楽監修: ロビン・アーダング 
出演: ニコール・キッドマン ベッカ・コーベット               アーロン・エッカート ハウイー・コーベット
       ダイアン・ウィースト ナット                             タミー・ブランチャード イジー
       マイルズ・テラー ジェイソン                            ジャンカルロ・エスポジート オーギー
       ジョン・テニー リック                                    パトリシア・カレンバー ペグ
       ジュリー・ローレン デビー                              サンドラ・オー ギャビー
       アリ・マーシュ 
 
子供を事故で亡くした夫婦の再生の物語。
という知識だけで観ました。
 
 
子供が亡くなった原因は、最初は分かりません。
少しずつ理由が分かり、少しずつ周囲の状況が分かって行きます。
最初から分かっているのは、ベッカとハウィーの夫婦が
子供を亡くして悲しみに暮れているということだけ。
 
息子を亡くした親の気持ちは、想像する以上に悲しみに包まれているでしょう。
その気持ちは、決して他人には理解できるものではない。
という視点で描かれている気がします。
だから、ふたりの気持ちの描き方が客観的に見えたり、
そこまで悲しいんだろうか?と思って、感情移入するのが難しいかもしれません。
 
でもね、
悲しみの大きさも深さも、それは人それぞれなんですよね。
分かったと思うのは、傲慢かもしれない。
そういう描きかたが心に刺さります。
 
8ヶ月という時間も、長いのか短いのか。
忘れようとすることが良いことなのか悪いことなのか。
それを判断するのは当人だけで、決して他人が判断することではない。
直面する悲しみとどうやって折り合いをつけるか。
それも人それぞれなのです。

ベッカとハウィーの悲しみは伝わるけど、
家族や友人に八つ当たりする姿に嫌悪するかもしれません。
なぜ事故を起こした青年と会うことができるのか、それを理解するのも困難です。
 
それでも尚、この作品が魅力的なのは、
綺麗事や安易な解決策でで片付けず、
ベッカとハウィーの悲しみに正面から向き合っているからだと思います。
 
ラストもこの夫婦の未来に光は見えつつも、
どうなるかわからない。とハウィーは言います。
 
そう…。
未来は分からない。
でもふたりで歩いていこう。
ベッカの手がハウィーの手に重なったとき、そう感じさせてくれました。

ベッカの母親の言葉
悲しみは消えないけど変化する
頷ける言葉でした。
 
ラビットホールって、パラレルワールドにつながる穴のことでした。
別の世界では、違う自分が生きてるかもしれない、と思った時、
ベッカは気持ちを立て直すことができるようになったのかもしれません。
 
 
美男美女のカップルですね(^^)