ウィンターズ・ボーン

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 サンダンス映画祭でのグランプリ受賞をはじめ各地の映画祭で評判を呼んだインディーズ系クライム・ヒューマン・ドラマ。残された家族を守るため、行方不明となった父を捜して危険な裏社会へと足を踏み入れていく少女の姿を描く。主演はハリウッド期待の新星、「あの日、欲望の大地で」のジェニファー・ローレンス。監督はこれが長編2作目の新鋭デブラ・グラニック
 アメリカ中西部ミズーリ州のオザーク高原。現代のアメリカ社会から見捨てられたかのような貧しい寒村。心を病んだ母と幼い弟妹を抱え、一家の大黒柱として懸命に生活を切り盛りする17歳の少女、リー。とうの昔に家を出ていた父が、自宅を保釈金の担保にしたまま失踪してしまい、自宅差し押さえの窮地に陥る。家と家族を守るため、自ら父親の捜索に乗り出すが、親族はじめ村人たちは父親の存在をタブー視するようにリーを追い返す。それでもひるむことなく、ついには危険な闇社会にも足を踏み入れようとするリーだったが…。<allcinema>
 
2010年
原題:WINTER'S BONE
上映時間 100分
製作国 アメリ
 
家族のために 未来のために   彼女は大人になるしかなかった――
 
監督: デブラ・グラニック 
製作: アン・ロッセリーニ  アリックス・マディガン=ヨーキン 
製作総指揮: ジョナサン・ショイヤー  ショーン・サイモンズ 
原作: ダニエル・ウッドレル 
脚本: デブラ・グラニック  アン・ロッセリーニ 
撮影: マイケル・マクドノー 
プロダクションデザイン: マーク・ホワイト 
編集: アフォンソ・ゴンサルヴェス 
音楽: ディコン・ハインクリフェ 
出演: ジェニファー・ローレンス リー・ドリー                    ジョン・ホークス ティアドロップ・ドリー
        シェリル・リー エイプリル                                 デイル・ディッキー メラブ
        ギャレット・ディラハント バスキン保安官                ローレン・スウィートサー ゲイル
        アイザイア・ストーン ソニー・ドリー                      アシュリー・トンプソン アシュリー・ドリー
        ケヴィン・ブレズナハン リトル・アーサー
        テイト・テイラー        シェリー・ワグナー 
 
アメリカ合衆国という国は、とてつもなく広大なんだ、
いろんな人がるんだ、と突きつけられました。
片方では、裕福で豪邸に住んで物凄いお金を稼いだり、
人や物を通して国や世界を動かす人がいたりする中で、
こんな風に、樹齢何百年という森を持ち、
薬を作ったり、
オキテに縛られている、どちらかと言えば貧困の人たちがいる。
 
そんな集落に住むリーは17歳。
年齢に驚いてしまうんだけど、彼女が背負ったものは17歳には過酷なもの。
父親の失踪と、そのせいで心を病んだ母親。
まだ幼い弟と妹。
父親がいなくなったことで、生計が成り立たず、
馬を譲ったり、森でリスを獲って食べたりする中で、
父親の保釈金を為に家を担保に入れていることが分かり、
なんとしても父親を探そうとするリーなんだけど、どうも様子がおかしい。
 
集落にはおじさんやいとこや、近い親戚から遠い親戚まで、
血縁の人間が多く住んでいるのに、
リーを助けよう、父親を一緒に探そうと言う人間はいない。
それどころか、父親のことは探すな、の一点張り。
 
物凄い違和感があって、その違和感の元がなんであるのか、
物語が進んでもはっきり分かるわけではありません。
全編を通して違和感や緊張感に包まれて観ていました。

寒々しい風景や人間関係。
不透明な色彩がそれを冗長させます。
 
ラストには少しばかりの希望があったものの、
おじさんの言葉に、さらに緊張感が走ったのでした。
本当に未来は明るいのだろうか…。

コピーの通り、主人公のリーは、家族のために大人になるしかなかった。
17歳。
全然自立してなかった同い年の自分が観たら、他人事に見えたかも。
いや、今でもどこかしら他人事なんだけど…。
逃げ出せない現実に立ち向かう、リーの強い心には拍手を送りたい。
 
ジェニファー・ローレンス
ご覧になった方は皆、彼女を褒めるでしょう。
それだけの演技だと思います。
 
次々にいろんな若手が出てきますね。
どれだけの若手が残って行くのか、楽しみですね。