悪の教典 (2012)

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 サイコパスの天才人気高校教師が学校内で殺戮を繰り広げる衝撃の展開で話題となった貴志祐介の問題作を、「十三人の刺客」の三池崇史監督、「海猿」シリーズの伊藤英明主演で映画化した戦慄のバイオレンス・エンタテインメント。共演は二階堂ふみ染谷将太林遣都山田孝之平岳大吹越満
 頭脳明晰なうえ爽やかなルックスで生徒はもちろん、同僚やPTAからも信頼の厚い高校教師、蓮実聖司。しかし彼の正体は、自分にとって邪魔な人間と思えば、平気で殺すことができるサイコパス反社会性人格障害)だった。蓮実はそうやって絶えず障害を取り除き、学校を思い通りに支配してきたのだ。ところがある日、ついに完璧だった手際にほころびが生じ、自らの正体が露呈する危機に。蓮実はその窮地を脱する最後の手段として、文化祭の準備で学校に居残る生徒全員の殺害を実行に移すのだった。<allcinema>
 
2012年
上映時間 129分
 
まるで出席をとるみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。
 
監督: 三池崇史 
製作: 市川南 
プロデューサー: 東幸司  坂美佐子  森徹 
エグゼクティブプロデューサー: 山内章弘 
ラインプロデューサー: 今井朝幸 
企画・プロデュース: 臼井央 
原作: 貴志祐介   『悪の教典』(文藝春秋刊)
脚本: 三池崇史 
CGIディレクター: 太田垣香織 
撮影: 北信康    美術: 林田裕至   佐久嶋依里    編集: 山下健治 
キャスティング: おおずさわこ 
音楽: 遠藤浩二     音響効果: 柴崎憲治 
スタイリスト: 前田勇弥 
スタントコーディネーター: 辻井啓伺 
照明: 渡部嘉  佐藤宗史     製作担当: 竹岡実       装飾: 坂本朗 
特殊造形: 松井祐一     録音: 中村淳      助監督: 原田健太郎 
プロダクション統括: 金澤清美 
出演: 伊藤英明 蓮実聖司       二階堂ふみ 片桐怜花(2年4組)        染谷将太 早水圭介(2年4組) 
       林遣都 前島雅彦(2年4組)     浅香航大 夏越雄一郎(2年4組)       水野絵梨奈 安原美彌(2年4組)
       山田孝之 柴原徹朗             平岳大 久米剛毅                           吹越満 釣井正信 
フリーパスポート5本目
 
内容はともかく、【海猿】の伊藤英明がどんなふうに演じるのか、
ただその一点に興味があって鑑賞してきました。
 
頭脳明晰で爽やか、おまけにルックスもいい。
そんな先生がいたら、そりゃあ人気者になるでしょう。
でも、完璧すぎる良い先生の不審な行動…。
サスペンスの要素を多少含ませてはいるものの、
それは伊藤英明演じる蓮実先生の仕業だと見せているので、
その部分が重要なわけではありません。
 
14歳だった少年が、両親を殺すシーンがあり、
その時の両親の会話や、
蓮実に疑惑を持ち、吹越満演じる釣井先生が調べた蓮実の素性。
そして、蓮実自身が思い出す過去で、
蓮実聖司がどんな男だったか語られていますが、
それでもまだ足りない。
 
蓮実という男のことを、もっと知りたいと思うくらい、
すでにこの世界に入り込んでいました。
 
前半は、良い蓮実先生が描かれ、
ちらちらと悪の部分が見え隠れする。

東大やハーバード大といった名前がポンポンと飛び出す蓮実の学歴。
その頭の良さが、彼の犯罪を更に完璧にしていくわけだけど、ときどきぼろが出る。
そうすると、その穴を埋めるためにさらに犯罪を重ねていく。
その連鎖反応が恐ろしい。
 
そんな蓮実を演じた伊藤英明
海猿】のイメージを払拭させられるのか、気になってたけど、
いや~。よかったです。
にこやかな笑顔に、目だけが笑っていない。
何も映していないような、ガラスみたいな目が印象的でした。
 
犯罪のため?に体を鍛えているシーンがあるんだけど、
さすがにそこは今までの経験がモノを言ってます。
いい体してますよ(^^ゞ
 
蓮実に疑問を持った釣井先生を演じた吹越満
病的な先生で、蓮実とは対照的に生徒たちからも嫌われるという先生像作り上げてました。
 
 
確かに猟奇的なシーンは見るに堪えないけど、
そういう作品なんだから、受け入れられます。
ところが、とにかく観終わって絶対に許せなかったのは、エンディングに流れた音楽。
作品中に全編に渡って流れるJazzの音楽。
そのリズム感を壊してしまって、余韻に浸る気分じゃなくなる。
人気のグループかもしれないけど、センスのない音楽に腹が立ってしまいました。
 

To be continued というのはどういう意味でしょうか。
映画として本当に続くという意味か、
それとも、蓮実に責任能力はないと言わせているから、
それを受けて、こういう人間は再び世の中に出てくる、ということなのか。
そのあたりも含めて、原作を読んでみたくなりました。
 
まあ、決して万人にお勧めできる作品ではありませんね。