人生の特等席 (2012)

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 クリント・イーストウッドが「グラン・トリノ」以来4年ぶりに主演を務める感動ドラマ。キャリア最後のスカウトの旅へと出たメジャーリーグの老スカウトマンとそのサポートに押しかけた一人娘が、旅を続ける中で少しずつ互いのわだかまりと向き合い、親子の絆を再確認していく姿をしみじみとした筆致で描き出す。共演はエイミー・アダムスジャスティン・ティンバーレイクジョン・グッドマン。監督は長年イーストウッド作品に製作や助監督として携わり、本作で記念すべき長編監督デビューを飾ったロバート・ロレンツ
 数々の名選手を発掘してきたメジャーリーグの伝説的スカウトマン、ガス・ロベル。しかし近年はパソコンを使ったデータ分析が主流で、ガスのような昔気質のスカウトマンはすっかり時代遅れに。視力も衰え、残り3ヵ月となった球団との契約も延長は望み薄。そんな中、ドラフトの目玉選手のスカウティングに向かったガスのもとに、弁護士としてキャリアの大事な時期を迎えていた一人娘のミッキーがやって来る。すっかり疎遠になっていた2人は、久々の再会も互いに素直になれずにギクシャクしたまま。そんな2人の前に、かつてガスに見出され、引退した現在では新米スカウトマンとして再出発を図るジョニーが姿を現わすが…。<allcinema>
 
2012年
原題:TROUBLE WITH THE CURVE
上映時間 111分
製作国 アメリ
スカウトマン、娘1人。
キャリア最後の旅に出る。
監督: ロバート・ロレンツ 
製作: クリント・イーストウッド ロバート・ロレンツ ミシェル・ワイズラー 
製作総指揮: ティム・ムーア 
脚本: ランディ・ブラウン 
撮影: トム・スターン 
プロダクションデザイン: ジェームズ・J・ムラカミ 
衣装デザイン: デボラ・ホッパー 
編集: ゲイリー・D・ローチ ジョエル・コックス 
音楽: マルコ・ベルトラミ 
出演: クリント・イーストウッド  ガス      
     エイミー・アダムス  ミッキー
        ジャスティン・ティンバーレイク  ジョニー
        ジョン・グッドマン  ピート・クライン      ロバート・パトリック ヴィンス
        マシュー・リラード  フィリップ・サンダーソン    ジョー・マッシンギル ボー・ジェントリー
フリーパスポート9本目
観終わって、幸せになれる作品です。
 
年老いた父親の姿が、冒頭のシーンからこれでもかと描かれます。
それは日常生活だけに留まらず、職場でも同じ。
目に障害が出始めて、階段はうまく登れずに躓くし、
スカウト対象の選手の姿も見えにくい。
それだけではなく、PCも扱えない旧式な老人に、そろそろ引退か?
と囁く輩も出てくるわけです。
 
世の中のスピードは速い。
ついて行くのが必至なわけで、これからもっとそう感じるんだろうなと思い知らされます。
 
そんなガスには、弁護士の娘・ミッキーがいます。
有能で、弁護士事務所の共同経営者になれるかも、と必死。
 
ガス、ミッキー親子の確執。
何があったのかは終盤に語られますが、
ガスが妻の墓の前で“生きていて、ミッキーの話し相手になってほしかった”
と語りかけるシーンは胸に響きました。
 
娘と父親の関係ってこんなかもね、と思ってしまいます。
うまく話せなくてすれ違ってしまうもどかしさ…。
 
そのふたりに共通するのが野球。
ガスの仕事のおかげで、ミッキーも野球に詳しい。
ガスの体調を気遣って同行するミッキーは、
ガスの目となって対象の選手を観察する。
 
決して野球の話ではないけど、でも野球を知ってるほうがいいかも。
マネーボール】を思い出してしまいました。
 
その二人の関係。
旧式なスタイルのスカウトを続けるガスと、
PC使用でデータ重視のスカウトマンとの駆け引き。
若きスカウトマンとなった元ピッチャーのジョニーと
ミッキーの関係。
 
どれも、決して驚くような新しいネタではないです。
それを丁寧に描き、
伏線を回収して、最後には収まるところに収める脚本のうまさ。
 
ガスとミッキーの関係は、
やっぱり野球を通して絆を確かめ合うわけです。
そうこなくっちゃ!と拍手したくなるラストは、とにかく爽快。
 
ーストウッドは、しわくちゃな顔も手も、惜しげもなくさらして
年老いた父親を演じています。
娘の力を信じる父親の嬉しそうな表情。
あったかくて、こちらまで嬉しくなりました。
監督業もいいけど、俳優業も卒業してほしくないですね。
彼が歌う“You Are My Sunshine”が素晴らしい!
 
エイミー・アダムス
こんなに素敵な女性だったっけ?と見直して(失礼!)しまいました。
弁護士としての顔、
娘としての顔、
そして恋する顔。
表情の変化でそれぞれの場面を意味づけていました。
 
 
人生の特等席。
自分にとっても、やっぱり今いる場所なのかもしれない…
なんて思ったり(^^)
 
ノーマルなハッピーエンド。
大好きです(^^)