ふたたび swing me again

イメージ 1かつてステージ・デビューを目前にしたジャズ・マンが、ハンセン病によるいわれなき差別に苦しみ、50余年の歳月を経てようやくやり残した夢と向き合い、出会ったばかりの孫と共にかつての仲間を訪ねる旅に出る姿を描くヒューマン・ドラマ。主演は「シュアリー・サムデイ」の鈴木亮平とベテラン、財津一郎。監督は「0(ゼロ)からの風」の塩屋俊。
 大学生の貴島大翔は、ある日父から、亡くなったと伝えられていた祖父・健三郎が家に戻ってくると告げられる。彼はハンセン病のために療養施設に隔離され、以来50年以上もの間そこでの生活を余儀なくされてきたのだった。頑固で偏屈な祖父を前に、戸惑いを隠せない大翔だったが、健三郎がLP1枚を出して姿を消した幻のジャズ・バンドのトランペッターと知り驚く。そんな矢先、健三郎は突然家を出て行ってしまう。彼は、自分の発病で夢だったステージ・デビューを棒に振ってしまったかつてのバンド・メンバーたちのもとへ向かおうとしていた。慌てて後を追い、渋々ながらも旅に同行する大翔だったが、やがて、祖父がこの最後の旅に託した秘めたる強い想いを知ることになる。<allcinema>
 
2010年
上映時間 111分
人生でやり残したこと、ありませんか?
監督: 塩屋俊 
製作: 依田巽 水口昌彦  森博貴  藤野浩二  木下直哉  堀義貴 小笠原明男  矢野裕美子 川崎代治
     星野岳志  百武弘二  冨木田道臣  井上隆由  山科健治 中西桂子 
アソシエイトプロデューサー: 山崎雅史 
企画: 塩屋俊 
原作: 矢城潤一 『ふたたび』(宝島社文庫刊)
脚本: 矢城潤一 
撮影: 江原祥二 
美術: 古賀次郎 
編集: 園井弘一 
音楽: 中村幸代 
主題歌: MINJI 
照明: 土野宏志 
録音: 山本研二 
出演: 鈴木亮平 貴島大翔              MINJI ユリッペ(野田百合子)/ハヨン
        青柳翔 貴島健三郎              藤村俊二 ユキオ(村瀬由起夫)
        犬塚弘 タツ(吉川辰夫)           佐川満男 マサル(渋沢勝)
        渡辺貞夫 曽根田オーナー
       (友情出演) 古手川祐子 貴島律子
       (特別出演) 陣内孝則 貴島良雄       財津一郎 貴島健三郎
 
音楽映画ということでチェックしてたんですが、まさかハンセン病が絡んでるとは知りませんでした。
 
ハンセン病で治療を続けていた祖父が帰ってくる。
そんな貴島家では、戸惑いと喜びとが交錯している。
 
息子にとっては、突然の父親の帰宅と共に、家業の不振が重なって、頭が痛い。
父親が受け取るはずの国からのお金を当てにしている。
という事情が見え隠れ。
息子の嫁に至っては、初めて会う義理の父親に戸惑い、ご近所の目も気になる。
 
そんな父親には、自分たちのバンドが日の目を見る直前に、
自分の発病で解散となってしまったことを、ずっと引きずっている。
病気になった自分の子供を産んだ妻もまた、親から見放され、
どこに葬られているか分らない。
それもこれも、全部自分の発病のせい。
 
そういうベースは、ハンセン病の哀しさを描いています。
 
 
そういう過去を引きずったまま生きてきた祖父が、
思い立って療養所を離れ、過去と向き合う旅に出ます。
その旅に、孫がつき添うというロードムービーでもあります。
孫も、祖父の病気のせいで彼女から別れを告げられたり、
ハンセン病患者とどう付き合うか、考えさせられるシーンはあります。

身近ではないので、なんとも言いようがないのですが、
今でも、やはり忌み嫌う人はいるということなんでしょうか。
 
 
50年以上もの長い時間が経っています。
亡くなったピアニストの妻以外のメンバーが集まるラストはやっぱり感動。
思い出のライブハウスでの演奏です。
渡辺貞夫氏が演奏に加わって、音だけではなくて目で見ても楽しめます。
 
旅の目的は、メンバーが全員集合して演奏すること、そしてもうひとつ。
妻の墓を探すこと。
家族と同じお墓に入ることを許されなかった妻が眠っていたのは、
二人が結婚した教会。
ここはロマンチックな演出でした。

ハンセン病のことを強く訴えたかったのかどうかは疑問。
ただ、過去にそういうことがあったということを知らせたかったのかなあ。
妻と、療養所の看護師と何か関係があったのかと匂わせていたけど、
う~ん、その辺りは不明。
 
祖父と孫のロードムービーとしては、面白く観ることができましたけどね。

自分の命が短いと知った祖父の思いが通じ、
息子家族が相手を思いやれる人になって行く姿は、
お約束ですよね~(^^)