プラチナデータ

イメージ 1国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA捜査システム。その開発者が殺害された。神楽龍平はシステムを使って犯人を突き止めようとするが、コンピュータが示したのは何と彼の名前だった。革命的システムの裏に隠された陰謀とは? 鍵を握るのは謎のプログラムと、もう一人の“彼”。果たして神楽は警察の包囲網をかわし、真相に辿り着けるのか。
 
東野圭吾 / 著 
 
映画とのコラボレーションで小説を書くという仕事がありました。難しくないと思いましたが、結局挫折しました。少しでも制限があると、私の脳は創作を拒否するようです。本作は、その時のアイデアを元にしています。映像化から解放されたことで書けたのだと思います。そんな作品を改めて映像にしたらどうなのか。作者としても非常に楽しみです。 東野圭吾
 
 
嵐の二宮和也くんが主演を務めるということ、東野圭吾作品だということで
新年一作目に読んでみました。
 
国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA捜査システム。
こういう設定は、近未来作品の映画や小説には度々登場しているので、
それほど奇抜だとは思わないし、
もしかしたらそういう時代がくるのかも、と思ったりします。
 
そのシステムの開発者が殺害され、
それに関わっている解析員神楽龍平が、犯人だとされてしまいます。
追う側から追われる側になった神楽。
神楽を追う警視庁の浅間は、DNA捜査システムに疑問を持つ刑事。
サスペンスとしてももちろん、面白くできています。
 
神楽の過去と、逃走劇。
いろんな駆け引きも読みごたえあります。
 
そんな中にあって、東野圭吾作品にしては珍しく、
虚しさややりきれなさみたいなものは感じません。
DNA捜査システムなんてものが現実になったら厄介だろうとか、
機械と自然と人間の共存についてとか、
その辺りに問題提起をしているんだろうとは思うんですよね。
それでも、すんなり読み終えられるのは、
現実離れした世界を描いているからかもしれませんね。
 
もう少しいろんな部分…特に登場人物に関しては
突っ込んだ描き方をしてほしかったとは思うせいか、
全体的にはさらりと読めました。
 
 
さて、この神楽や浅間をどんなふうに映像化するのか、
設定が変わっている人もいるようだし、楽しみです(^^)
というわけで、映画の予告編をご紹介しておきます。