ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2012)

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 「ブロークバック・マウンテン」「ラスト、コーション」の名匠アン・リー監督が、ブッカー賞に輝いたヤン・マーテルの世界的ベストセラー小説を3Dで実写映画化した衝撃と感動のサバイバル・アドベンチャー・ドラマ。大海原で嵐に巻き込まれ遭難し、小さな救命ボートに獰猛なトラと乗り合わせることになった一人の少年が、その後いかにして生き延びることが出来たのか、その想像を絶する漂流生活の行方を、美しくも幻想的な3D映像で描き出していく。主演は新人スラージ・シャルマ、共演にイルファン・カーン、レイフ・スポール、ジェラール・ドパルデュー
小説のネタを探していたカナダ人作家は、パイ・パテルというインド人男性を訪ね、彼の語る驚愕の冒険譚を聞くことになる――。インドのボンディシェリで動物園を営む一家に育ったパイ少年。やがて彼が16歳となったとき、一家はカナダに移住することになり、パイは両親や動物たちと一緒に日本の貨物船に乗り込むことに。しかし、途中で嵐に遭遇し、船は沈没。運良く救命ボートに乗り移ることができたパイだったが、彼と同じように辛くも逃げ延びたシマウマやハイエナ、オランウータン、そしてリチャード・パーカーと名付けられたベンガルトラと同乗するハメに。こうして少年パイの過酷な漂流生活がスタートするのだが…。<allcinema>

2012年
原題:LIFE OF PI
上映時間 127分
製作国 アメリ
なぜ少年は、生きることができたのか。
命を奪うのか、希望を与えるのか

監督:アン・リー
製作:ギル・ネッター  アン・リー デヴィッド・ウォマーク
原作:ヤン・マーテル 『パイの物語』(竹書房刊)
脚本:デヴィッド・マギー ディーン・ジョーガリス
撮影:クラウディオ・ミランダ
プロダクションデザイン:デヴィッド・グロップマン
編集:ティム・スクワイアズ
音楽:マイケル・ダナ
出演:スラージ・シャルマ パイ・パテル(少年)
イルファン・カーン パイ・パテル(成人)
アディル・フセイン サントッシュ・パテル
タブー ジータ・パテル
レイフ・スポール カナダ人ライター
ジェラール・ドパルデュー コック

鑑賞から時間が経ってレビューを書いてますが、
あちこちのレビューを読んで、作品を思い返し、そして納得したり…。

多くの方が期待していたように、娯楽的な作品だと思っていました。
だってトラと漂流した少年が、どうやって生き延びたか、なんていう予告編でしょ?
そう思っても仕方ないですよね~。

主人公のパイの生い立ちを描いた前半。
そういう部分があると知っていたので、それほどではなかったけど、
単純に漂流シーンを期待してると、これは退屈な時間でしょう。

信仰に厚い人物であるということ。
とても利発な子供であったということ。
俗物的な父親と宗教上の理由でベジタリアンの母親。
そういう両親の元に育ったということ。

パイは生きる力を身につけて育っていたんだなあと、
思い返すとやっぱり大事な前半だと言えます。

雷が鳴ると、そこに神の存在を感じるパイ。
おかげで嵐の海に投げ出されるも、救命ボートに乗ることができたんですが、
そのボートに、シマウマが飛び乗り、オラウータンがたどり着き…。
ハイエナがシマウマを襲うシーンにびっくりしたら、
その直後に、トラが登場でさらにびっくり。
行きつく間もなく、パイとトラの漂流生活が始まります。

単純に、トラだけが乗っていたわけじゃなくて、いろんな動物がいたんですよね。
でも、じゃあ人間はみんな海に投げ出されて、パイだけ?
そこに信仰の深さがあったのかな、なんて思ってみたり…。

生きていくためのパイの行動は、常人では絶対無理です。
あっという間にトラの餌になっちゃうな~と、我が身を思ってしまいました。

いろんなことがあって、パイは生き延びるんだけど、
それで一件落着。というわけにはいきませんでした。

そこがこの物語の難しい部分です。

本当にトラと漂流して来たのか。
トラと漂流して、生き延びることなどできるのか。
今まで見せられてきた物語は、一体なんだったんだろう。

結論は観客に委ねられているけれど、
個人的にはパイにはその力があった。という方に一票(^^)

観終わってもやもや感が残ったり、すっきりしなかったけど、
時間が経って、いろんな解釈を目にして、少しわかった気がしています。

まあ、そんな感じでちょっと複雑なお話でした。

映像は、3Dの迫力を感じるシーンもあったけど、
日常の生活に、それを求めるのは無理があるのか…。
でも、劇場で観るなら、やっぱり3Dなのかもしれませんね。