アンナ・カレーニナ (2012)

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  ロシアの文豪トルストイの同名小説を「プライドと偏見」「つぐない」のジョー・ライト監督&キーラ・ナイトレイ主演コンビで映画化した文芸ラブ・ロマンス。全てを捨てて真実の愛に生きる道を選んだヒロイン、アンナ・カレーニナが辿る悲痛な運命を、舞台劇を取り込んだ大胆な演出を織り交ぜ、絢爛豪華に描き出す。共演はジュード・ロウアーロン・テイラー=ジョンソンケリー・マクドナルド、ドーナル・グリーソン、アリシア・ヴィキャンデル
 19世紀後半のロシア。アンナ・カレーニナ社交界の華と謳われる美貌の持ち主。しかし、夫である政府高官カレーニンとの間に愛を感じられず、満たされぬ日々を送っていた。そんなある日、兄夫婦のもとを訪れた彼女は、若き将校ヴロンスキーと出会い、一目で恋に落ちてしまう。許されぬ恋に必死に心を鎮めるアンナだったが、舞踏会で再会した2人にもはや燃え上がる情熱を抑える術はなかった。一方、アンナの兄嫁の妹でヴロンスキーに想いを寄せるキティ。彼女は、田舎の地主で純朴な好青年リョーヴィンからの求婚も断り、ヴロンスキーとの結婚を信じて待ち続けていたのだが…。<allcinema>
 
2012年
原題:ANNA KARENINA
上映時間 130分
製作国 イギリス
時代を駆け抜けた、美しくも激しい運命の愛が、現代によみがえる――。
監督: ジョー・ライト 
製作: ティム・ビーヴァン エリック・フェルナー ポール・ウェブスター 
製作総指揮: ライザ・チェイシン 
原作: レオ・トルストイ 『アンナ・カレーニナ
脚本: トム・ストッパード 
撮影: シーマス・マッガーヴェイ 
プロダクションデザイン: サラ・グリーンウッド 
衣装デザイン: ジャクリーン・デュラン 
編集: メラニー・アン・オリヴァー 
音楽: ダリオ・マリアネッリ 
出演: キーラ・ナイトレイ アンナ・カレーニナ
    ジュード・ロウ カレーニン
    アーロン・テイラー=ジョンソン ヴロンスキー
    ケリー・マクドナルド ドリー
    マシュー・マクファディン オブロンスキー
    ドーナル・グリーソン リョーヴィン
    ルース・ウィルソン プリンセス・ベッツィ・トヴェルスカヤ
    アリシア・ヴィキャンデル キティ
    オリヴィア・ウィリアムズ ヴロンスキー伯爵夫人
    エミリー・ワトソン リディア・イワノヴナ伯爵夫人
    カーラ・デルヴィーニュ ソロキナ嬢
 
キーラにコスチューム劇はよく似合います。
台詞と表情で演技する彼女の存在感は大きく、キーラ=アンナと言っても過言ではないほど。
 
残念ながら原作は未読。
高校生の頃友人が読んでいたので挑戦したけど、途中で断念。
幼かったんでしょうね~(^^ゞ
 
有名な小説ですから、ある程度のストーリーは分かっているので、
映像だとか音楽だとか、そういうものを楽しむことができました。
 
まず驚いたのは、舞台劇との融合。
不思議な作りです。
ドアを開けると別の屋敷になったり、階段を上がると自分の屋敷になったり。
舞台転換を見ているような錯覚に陥ります。
ちょっとミュージカルっぽかったり、おとぎ話みたいだったり…。
ヴロンスキーの風貌から、宝塚観てるみたいだ、と思っていたら
同じことを思ってる人もいたようで…(^^ゞ

そして、アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した衣装の美しさ。
印象的だったのは、ドレスがほぼ単色だということ。
当時がそうだったのかどうかは分かりませんが、
すっきりしたデザインで、邪魔にならない美しさがありました。
アンナのドレスでは、ポスターにもなってるワインレッドと、
後半で身にまとう、ウエディングドレスみたいな白いドレスが印象的でした。

アンナが若い将校に走ったかわからない。というコメントをよく見かけましたけど、
確かにそれはそうです。
夫であるカレーニンは善良で誠実なんだもん。
社会的な対面から、アンナとの離婚を承諾しないのは仕方ないし、
不誠実な妻と息子を会わせないのも仕方ないでしょ。
(原作ではちょっと違ってたみたいですけど)

火遊びの範囲を超えられなかったヴロンスキーが、
アンナの鬼気迫る愛情に恐れおののいてしまったのも仕方ない。
 
だからといってアンナに同情する気にもなれませんけどね。
 
いろんなことを語りたくなる作品です。
 
レーニンを演じたジュード・ロウ
華やかなオーラを消し去って、地味な官僚を演じています。
そう思って観ないと、分からないかも…(^^ゞ
若い頃なら、ヴロンスキーを演じたかもしれませんね~。
 
アンナの義妹の恋物語が、堕ちていくアンナとは対照的に描かれていて
更にアンナの狂気が増す演出は見事。
これは原作の力かと。
 
帝政ロシア時代の大いなる恋愛物語。
女性に自由恋愛はなかった時代でもあるんでしょうね。