127時間

 アカデミー賞受賞作「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督が、青年登山家アーロン・ラルストンの奇跡の実話を映画化した衝撃のサバイバル・ヒューマン・ストーリー。誰も寄りつかない大自然の峡谷でアクシデントに見舞われ、身動きのとれない絶体絶命の窮地に陥った青年が、肉体と精神の極限からいかにして生還を果たしたかを、主人公の心の軌跡とともにリアルかつエモーショナルに綴ってゆく。主演は「スパイダーマン」シリーズ、「スモーキング・ハイ」のジェームズ・フランコ
 ある日、27歳の青年アーロンは一人でロッククライミングを楽しむため、庭のように慣れ親しんだブルー・ジョン・キャニオンへと向かった。美しい景観の中で様々な遊びに興じて大自然を満喫するアーロン。ところが、ふとしたアクシデントから、大きな落石に右腕を挟まれ、谷底で身動きがとれなくなってしまう。そこは誰も寄りつかない荒野の真ん中。おまけに彼は行き先を誰にも告げずに出てきてしまった。絶望的な状況と自覚しながらも冷静さを失わず、ここから抜け出す方法を懸命に模索するアーロン。しかし無情にも時間ばかりが過ぎていき、彼の強靱な体力と精神力もいよいよ限界を迎えようとしていた。<allcinema>イメージ 1
2010年 原題:127 Hours 上映時間 94分 
製作国 アメリカ/イギリス
監督: ダニー・ボイル 
製作: クリスチャン・コルソン ダニー・ボイル ジョン・スミッソン 
製作総指揮: バーナード・ベリュー ジョン・J・ケリー フランソワ・イヴェルネル 
         キャメロン・マクラッケン リサ・マリア・ファルコーネ テッサ・ロス 
原作: アーロン・ラルストン『 127時間』(小学館文庫)
脚本: ダニー・ボイル サイモン・ボーフォイ 
撮影: アンソニー・ドッド・マントル エンリケ・シャディアック 
プロダクションデザイン: スティラット・ラーラーブ 
衣装デザイン: スティラット・ラーラーブ 
編集: ジョン・ハリス 
音楽: A・R・ラフマーン 
出演: ジェームズ・フランコ アーロン・ラルストン
    アンバー・タンブリン ミーガン
    ケイト・マーラ クリスティ
    リジーキャプラン ソニア
    クレマンス・ポエジー ラナ
    ケイト・バートン アーロンの母
    トリート・ウィリアムズ アーロンの父
 
内容を知っていただけに、観るのが躊躇われ、今になってしまいました。
過酷な映像だと厭だな~と…(^^ゞ
 
思っていた以上の内容でも、それ以下の内容でもありませんでした。
悲惨さを前面に押し出さない、スタイリッシュな映像と音楽に、前半は救われます。
 
人は誰も、10分先ですら予想できないわけで、
アーロンも、いつものように一人旅の準備を始めます。
いつもと同じ風景。
いつもと変わらないノリ。
この先に待っている現実を知っているだけに、なんと気楽なことか、と苦笑い。
何かがほんの少し違っていたら…。
そんなことを思わずにはいられないけど、
もしかして、なんて思っていないから、身軽な旅立ちです。
 
旅の途中で出会った女の子たちとも、
いつものように言葉を交わし、出会いを楽しむ。
これもいつもと同じ風景ですよね。
 
そしてその時。
ついに始まったか、という岩との格闘の時間。
 
アーロンが素晴らしいのは、ちゃんと現実と向き合う力を持っていたことでしょう。
その決断しかできないと知った時、
それでも自分の腕を斬り落とすなんてこと、できるでしょうか。
 
それでも生きたい。強い生への信念。
生きて帰ったことで、彼はきっと大きな人間に成長しただろうし、
同じ過ちを繰り返してないというのも素晴らしい。
 
片腕になってもロッククライミングは続けるけど、
連絡先を残していくことも忘れないそうです。
その一文に、最後まで観てよかったと思いました。