プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 (2012)

イメージ 1
 「ブルーバレンタイン」でコンビを組んだデレク・シアンフランス監督とライアン・ゴズリングの主演で贈るクライム・ドラマ。ある罪を巡る父親同士の因果が、その息子たちへと引き継がれて展開していくさまを、それぞれに視点を変えた3つの物語で描き出していく。共演はブラッドリー・クーパーエヴァ・メンデスレイ・リオッタ
 移動遊園地で曲芸バイクショーをしながら各地を巡り、その日暮らしの気ままな生活を送る孤独な天才ライダー、ルーク。ある日、かつての恋人ロミーナと再会した彼は、彼女が自分との子どもを密かに生んでいたことを知り、根無し草生活から足を洗うことを決意する。しかし職探しは上手くいかず、母子を養うために銀行強盗に手を染める。そんなルークを、正義感にあふれる新米警官エイヴリーが追い詰めていく。15年後、何も知らないルークの息子ジェイソンとエイヴリーの息子AJは高校で出会い、すぐに仲良くなるのだが…。<allcinema>
2012年  原題:THE PLACE BEYOND THE PINES  上映時間 141分  製作国 アメリ
それは、愛か罪か――
監督: デレク・シアンフランス 
製作: シドニー・キンメル ジェイミー・パトリコフ リネット・ハウエル アレックス・オルロフスキー 
製作総指揮: ジム・タウバー マット・ベレンソン ブルース・トール 
原案: デレク・シアンフランス ベン・コッチオ 
脚本: デレク・シアンフランス ベン・コッチオ ダリウス・マーダー 
撮影: ショーン・ボビット 
プロダクションデザイン: インバル・ワインバーグ 
衣装デザイン: エリン・ベナッチ 
編集: ジム・ヘルトン ロン・パテイン 
音楽: マイク・パットン 
出演: ライアン・ゴズリング ルーク
    ブラッドリー・クーパー エイヴリー
    エヴァ・メンデス ロミーナ
    レイ・リオッタ デルカ
    ベン・メンデルソーン ロビン
    マハーシャラ・アリ コフィ
    デイン・デハーン ジェイソン
    エモリー・コーエン AJ
    ローズ・バーン 
    ブルース・グリーンウッド 
    オルガ・メレディス 
 
ネットでの評判が良くて観たい!と思っていたら、
春にオープンしたユナイテッド・シネマズで上映されていて、観に行ってきました。
 
ちょっと横道に逸れますけど、この映画館。
時期はずれるけどユニークな作品がかかります。
普通のシネコンとは一味違う。
でも、そのせいかどうかわかんなけど、観客が少ない。
オープンしたばかりなのに、大丈夫かな~とちと心配(^^ゞ
 
さて、作品に戻りますが…。
 
物語は、まずライアン・ゴズリング演じるルークの話。
天才ライダーのルークが元カノに再会したところ、
自分の子供を産んで、新しい彼と育てているという。
赤ん坊に会ったら、愛情が湧いてきて離れがたくなってしまう。
気ままに暮らしていたルークにとって、初めての家族に、
どうやって愛情を向けたらいいかわからない。
愛情イコールお金だと思っても、それを単純だとは笑えない。
おバカで単純なルークは、お金を稼ぐために銀行強盗を働き、哀れな結末を迎えてしまう。
 
ルークに代わって物語は、ブラッドリー・クーパー演じる警察官のエイブリーに。
このエイブリーについて、ずっと違和感を感じていました。
犯人に対峙した時、絶対に犯人より先に発砲した。
それを隠して英雄になった奴。という具合に…。
その後も、警官の汚職に関しても、自分だけいい子ちゃんになって
それをネタに出世していくって、なんだか変、と思っていたら、
物語は15年後に
ふたりの子供の話になって、「宿命」という邦題の意味を知ります。
 
エイブリーを胡散臭いと思っていたら、
な~るほど、こんな子供になったか。というような放蕩息子。
ルークの息子も、な~るほど、というにおいがぷんぷん。
そのルークの息子ジェイソンが、自分の出生を知り、エイブリー親子に復讐しようとする…。
でも、それじゃあ救いがないな~と思ってたんですが、
そうはならず、ジェイソンにとっての未来が見えたラストでした。
 
アメリカはいろんな意味で大きいと感じます。
ちょっと走れば車の往来も少ない山間が続き、スクリーン一面に映し出される風景が広大。
エイブリー一族のような裕福な人もいるけど、
ルークみたいなその日暮らしの低所得層もいたり、人種も様々だったり…。
 
そんな人たちがふとしたことで絡み合う。という物語。
 
ルークが人間味があって印象が強かった気はするけど、
140分を最後まで飽きずに観ることができたのは、構成の面白さでしょうか。
 
宿命というか、因果応報というか…。
父親の人生を背負った息子たちが痛々しかった。
 
これからの人生、父親に縛られるのではないかと想像したエイブリーの息子より、
父親の業を振り払って自分の足で歩きだしたジェイソンに
希望を感じたのは私だけでしょうか。