マリー・アントワネットに別れをつげて

 フランス革命に揺れるベルサイユ内部を、王妃マリー・アントワネットに仕えた朗読係の少女というユニークな視点から綴ったシャンタル・トマによるフランスのベストセラー『王妃に別れをつげて』を映画化した歴史ドラマ。少女を待ち受ける過酷な運命とベルサイユ最期の日々を、実際にベルサイユ宮殿でのロケも敢行した豪華絢爛なヴィジュアルで描き出していく。出演はマリー・アントワネットに「アンノウン」のダイアン・クルーガー、ヒロインの読書係シドニーに「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」のレア・セドゥ、共演にヴィルジニー・ルドワイヤングザヴィエ・ボーヴォワ。監督は「トスカ」「イザベル・アジャーニの 惑い」のブノワ・ジャコー
1789年フランス、パリのベルサイユ宮殿。少女シドニーマリー・アントワネットに本を読み聞かせる“読書係”。王妃に心酔し、彼女のためなら身も心も捧げる気持ちだった。しかし当のマリー・アントワネットは、ポリニャック夫人に夢中。シドニーの前でも夫人への胸を焦がすような恋心を隠そうともしなかった。折しも、宮殿の外ではバスティーユが陥落し、286名のギロチンリストなるものが出回っていた。そこにはアントワネットばかりか、王妃の寵愛を受けるポリニャック夫人の名前も。夫人の身を案じたアントワネットは、読書係のシドニーに夫人の身代わりになるよう命じるが…。<allcinema>
2012年 原題:LES ADIEUX A LA REINE FAREWELL, MY QUEEN 上映時間:100分                      製作国:フランス/スペイン
世界でいちばん残酷な、片想い。                                            イメージ 1監督:ブノワ・ジャコー                          製作:ジャン=ピエール・ゲラン クリスティナ・ラルサン           ペドロ・ウリオル                          製作総指揮:クリストフ・ヴァレット                   原作:シャンタル・トマ 『王妃に別れをつげて』(白水社刊)
脚本:ジル・トーラン ブノワ・ジャコー
撮影:ロマン・ヴァンダン
美術:カーチャ・ヴィシュコフ
衣装:クリスティアン・ガスク ヴァレリ・ランシュ
編集:リュック・バルニエ
音楽:ブリュノ・クーレ
出演:レア・セドゥ シドニー・ラボルド
ダイアン・クルーガー マリー・アントワネット
ヴィルジニー・ルドワイヤン ガブリエル・ド・ポリニャック夫人
グザヴィエ・ボーヴォワ ルイ16世
ノエミ・ルボフスキー カンパン夫人

人は誰でも、“ツボ”を持ってると思うんですが、
個人的には“マリー・アントワネット”はまさにその“ツボ”です。

この時代の作品には、つい手が出ちゃいます^^;

登場人物がちゃんとフランス語なのがいいですね。
ベルサイユ宮殿の内部が中心なのですが、
雨の日には床が大変だったり、蚊に刺されたり、
きらびやかではなくて、多分こうだっただろうと思わせます。

ある意味、夢はないけど…^^;

その中で暮らすマリー・アントワネットとその朗読係シドニーの話。

フランス革命まっただ中なんだけど、
どこかしらどこ吹く風みたいだし、切迫感もあるようなないような…。
城の外のことが描かれていないので、伝わらないというのもあるんでしょうが、
もしかしたら、城の中の人たちにとっては革命ってそんなものだったかもしれません。

でも、その中で、
アントワネットが一番大切にしていたポリニャック夫人とのことがメインです。

人目をはばからずにポリニャック夫人に寄り添うアントワネット。
公然の秘密になっているわけです。
そのポリニャック夫人に嫉妬するシドニーの想いは、
相手に届かないだけに哀しい…。


アントワネットのお世話係の夫人がいいんですよ。
シドニーのことに口うるさく言うけど、実は根はとても優しい人で、
最後も「何を言われても絶対に引き受けては行けない」と言うんです。

アントワネットは、大切なポリニャック夫人を逃がすために、
シドニーを身代わりに仕立てることするんです。

奔放で身勝手で、
自分のことしか考えないアントワネットらしいと思いますね。
アントワネットというのは、やっぱりそういう女性だったのかな。

それでもそんなアントワネットを慕うシドニーの一途さ。
シドニーの忠誠心は見事。
いや、それは自分自身の存在価値を見出したかったからかもしれません。

大きな歴史の歯車の、ほんの小さなネジかもしれないけど、
シドニーは満足だったのかな。
決して悲壮ではないシドニーの表情が印象的でした。