マーガレット

 「イングリッシュ・ペイシェント」「リプリー」のアンソニー・ミンゲラが製作総指揮を務めたヒューマンドラマ。2005年に撮影されたにもかかわらず、様々なトラブルから製作が遅れ、公開はミンゲラが亡くなった後だった。監督は「ギャング・オブ・ニューヨーク」で脚本を担当したケネス・ロナーガン。主演は「X-メン」やテレビシリーズ「トゥルーブラッド」のアンナ・パキン。共演はジャン・レノマーク・ラファロマット・デイモンなど。
女子高生のリサ・コーエンはボーイフレンドとのデートに遅れてしまうと、走り始めたバスの運転手マレッティに笑顔を見せた。リサに気を取られたマレッティは赤信号を見落とし、横断中の女性をはねて死なせてしまう。動揺したリサは警察の聴取に対して、あれは歩行者の信号無視だったと嘘の供述をし、ますます罪悪感に苛まれる。リサはあまりにも多すぎる苦しみを抱えきれず、徐々に道を踏み外してしまい…。<allcinema>

2011年 原題:MARGARET 上映時間:150分 製作国:アメリ
監督:ケネス・ロナーガン               
イメージ 1製作:シドニー・ポラック  ゲイリー・ギルバート スコット・ルーディン
製作総指揮:アンソニー・ミンゲラ           
脚本:ケネス・ロナーガン
撮影:リシャルト・レンチェウスキ
プロダクションデザイン:ダン・リー
衣装デザイン: メリッサ・トス
編集:アン・マッケイブ
音楽:ニコ・ムーリー
出演:
アンナ・パキン リサ・コーエン
J・スミス=キャメロン ジョーン
ジャン・レノ ラモン
ジーニー・バーリン エミリー
アリソン・ジャネイ モニカ・パターソン
キーラン・カルキン
マシュー・ブロデリック
マーク・ラファロ マレッティ
マット・デイモン アーロン
マット・デイモンの名前でレンタルしたんですが…。
彼はそれほど重要な役ではなくて、
おまけに内容もかなり面倒くさくて残念でした。

主人公の女子高生リサ。
思春期特有の苛立ちや潔癖さや、大人や世間への不信感などを持ち合わせた
とても不安定な少女。
母親は有名な舞台女優で、まだ若くて男性からの誘いも多い。
そういう母親とも衝突する日々。

そんなとき、バスの運転手が被っている帽子が気になり、
どこで買ったのか、走りながら大きな声やジェスチャーをで尋ねようとする。
そのリサの姿に、運転手はよそ見運転をして信号無視で、人身事故を起こしてしまう。

リサは、警察には悪いのははねられた女性の方で、運転手に否はないと証言。

そこからのリサの言動がこの話の中心でした。

罪の意識に駆られて、でもどうしていいかわからない。
周囲や家族に当たりちらしながら、解決策を模索する。

自分のせいで事故が起こっているのに、
それは運転手が悪い、事実を隠ぺいしてほしいような表情をしていた、というのだから
何とも都合のいい解釈だと思ってしまいます。

人がひとり亡くなっているのに、誰も責任を取ろうとしない、
そういう部分も驚きというか、アメリカならではなのかもしれないと感じました。

リサは、泣き、喚き、相手を非難する。
罪悪感はあったかもしれないけど、
それを解消するために運転手を追い詰めようとする言動は、
自己主張が強すぎで嫌な気分になりました。

こういう発想も、もしかしたらお国柄でしょうか。

マット・デイモンがどういう具合に絡むのか、
それだけを確かめたくて最後まで観たけど、
結局は、リサの感情のはけ口の相手の一人に過ぎず…。

150分とやたら長いのは、リサの母親の恋愛問題があったり、
リサの離婚した父親との話があったり、
そしてリサのプライベートが語られたり…。
とにかく盛りだくさん過ぎて疲れました。

もっと違ったアプローチで描いたら、
きっと見応えのある作品になったかもしれない…
未公開だったのが分かる気がしました。