鑑定士と顔のない依頼人 (2013)

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 「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が「シャイン」ジェフリー・ラッシュを主演に迎えて描く切なくも華麗な極上ミステリー。偏屈な天才オークション鑑定士が、姿を見せない女性からの謎めいた鑑定依頼に翻弄され、思いがけない運命を辿るさまを、巧みな語り口とサプライズな仕掛けでミステリアスに綴る。共演はジム・スタージェスシルヴィア・フークスドナルド・サザーランド
一流の美術鑑定士にして、カリスマ的オークショニアのヴァージル・オールドマン。極端に人間嫌いで独身を貫く彼が唯一愛情を注ぐのが、女性の肖像を描いた名画たち。これはと思う肖像画が出品されると、相棒のビリーを使い、不正な手段で自分のコレクションに加えてしまうのだった。そんなある日、彼のもとに、亡くなった両親が遺した家具や美術品の鑑定をしてほしいという若い女性からの依頼が舞い込む。ところが依頼人は、決してヴァージルの前に姿を見せようとはしなかった。憤慨するヴァージルだったが、依頼人の屋敷である歴史的名品の一部とおぼしき部品を発見してしまい、この依頼を引き受けずにはいられなくなる。そして屋敷に通ううち、姿の見えない依頼人に少しずつ興味を抱き始めるヴァージルだったが…。<allcinema>

2013年 原題:LA MIGLIORE OFFERTA THE BEST OFFER 上映時間:131分      製作国:イタリア
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
製作:イザベラ・コクッツァ アルトゥーロ・パーリャ
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
撮影:ファビオ・ザマリオン
プロダクションデザイン:マウリツィオ・サバティーニ
衣装デザイン:マウリツィオ・ミレノッティ
編集:マッシモ・クアッリア
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:
ジェフリー・ラッシュ ヴァージル・オールドマン
シルヴィア・フークス クレア
ジム・スタージェス ロバート
ドナルド・サザーランド ビリー
フィリップ・ジャクソン
ダーモット・クロウリー 
上映館が少なくて観ることを諦めていたんですが、
新年早々観ることができて、ほんとにラッキーでした。と思える、見応えのある作品でした。

ある種ミステリーみたいな要素はあるんですけど、
それは最後まで行ってそうだったんだ、と思える展開です。
まあ、ある程度感の良い人なら、何が起こっているのか読めてしまうのかもしれないけど、
いつものように、鈍い私は最後で驚かされることになりました。

でも、ほんとにミステリーとして楽しむ作品なのか…。
いやいや、それだけじゃない。
やっぱりラブストーリーとして観たいかなあ。

凄腕の鑑定士ヴァージルがどんな人間なのか、冒頭からのシーンで分かるようになっています。
極度の人間嫌い、潔癖症、もちろん独身。
そのヴァージルに、亡き両親の残した美術品を鑑定してほしい
という女性からの依頼が舞い込み、
その女性との出会いで、ヴァージルの人生が一変するわけです。
そう、つまり、恋をしてしまうのです。
恋と言うのか、愛と言うのか…。


恋は盲目といいますが、まさにそれを地で行くようなヴァージルの行動。
この変化は微笑ましいというよりちょっと苦しい…。
多分、この恋が成就しないのでは、と思ってしまうから…。

年寄りを苛めちゃいかんよ。
観終わっての第一声ですけど、そう言わせるジェフリー・ラッシュの名演技。
本当に見事です。

どこまでが仕組まれたことで、誰がどう仕組んだのかとか、
観る人によって違った意見があるみたいで、
あちこちでレヴューを読んでも、いろんな解釈があって面白いです。

途中、これは面白いのか面白くないのか?と思ってしまったので、
ちょっと進行が緩やかで長いのかもしれないけど、
謎が解けてからのやるせなさ、残酷さはお見事としか言いようありません。

観方の一つとして…。
確かに残酷なラストだけど、人を愛することができたことは、
ヴァージルの心を潤してくれたと思いたいですね。


《追記》
時間が経ってみると、ラストの時系列がどうなっているのか、考えました。
もしかしたら…。
ネタばれになるので、観た人と語り合いたいと思っています。