コッホ先生と僕らの革命

 19世紀末のドイツで教育の現場にイギリス発祥のチーム・スポーツ“サッカー”を導入し、後に“ドイツ・サッカーの父”と呼ばれる実在の人物コンラート・コッホを主人公に、サッカーを通じて封建的な学園に自由と平等の精神を植え付けた型破りな教師と生徒たちとの心の交流を描いた感動の学園ドラマ。主演は「グッバイ、レーニン!」「ベルリン、僕らの革命」のダニエル・ブリュール。監督は本作が本格的な映画デビューとなるセバスチャン・グロブラー。
19世紀後半、普仏戦争でフランスに勝利し自信を深めた帝政ドイツでは、イギリスとの覇権争いへと関心が向かい、国民の反英感情がかつてない高まりを見せていた。そんな中、イギリスに留学していた青年コンラート・コッホが、名門カタリネウム校にドイツ初の英語教師として赴任してくる。しかしすぐに、生徒たちのイギリスに対する強い偏見と階級による露骨な差別意識に直面する。さらに、規律を重んじ、教師への絶対服従を強いる学園の封建的な雰囲気にも不満が募る。そこでコッホは授業にサッカーを採り入れ、生徒の自主性を引き出すとともにフェアプレーの精神とチームワークを学ばせることを思いつく。最初は戸惑っていた生徒たちもいつしかすっかり夢中になり、サッカー用語を通じて英語も学ぶようになっていくのだったが…。<allcinema>

2011年 原題:DER GANZ GROE TRAUM  LESSONS OF A DREAM
上映時間:114分 製作国:ドイツ
あきらめることに慣れてしまった、
イメージ 1          すべての大人たちへ――
監督:セバスチャン・グロブラー
製作:アナトール・ニチュケ ラウル・ライネルト
原案:セバスチャン・グロブラー ラウル・ライネルト
脚本:フィリップ・ロト ヨハンナ・ストゥットゥマン
撮影:マルティン・ランガー
プロダクションデザイン:トーマス・フロイデンタル
衣装デザイン:モニカ・ジェイコブス
編集:ディルク・グラウ
出演:
ダニエル・ブリュール コンラート・コッホ
●ブルクハルト・クラウスナー グスタフ・メアフェルト
●ユストゥス・フォン・ドナーニー リヒャルト・ハートゥング
●カトリン・フォン・シュタインブルク
トマス・ティーマ テオ・トレブス アドリアン・ムーアティル・ヴァレンティン・ヴィンター ユルゲン・トンケル アクセル・プラール  ヘンリエッテ・コンフリウス 

階級差別、厳格な規律や服従など、窮屈な帝国主義のドイツ。
子どもたちの学校生活も、観ているだけで息がつまりそう。
日本の戦前も、こんなだったんじゃなかとうかと想像してしまいます。

家庭の貧富の差で、学校でも差別が生まれる。
地元の名士を父親に持つ級長のフェリックスは、
親や教師に服従することが最良のことだと信じている少年。
母子家庭のヨストは、母親が教育を受けさせようと必死になっているけど、
貧しい家庭の子どもには皆が辛く当たる。

そのふたりが対照的に描かれていて、でも、どっちも決して悪い少年たちじゃない。

コッホ先生が伝えたかったフェアプレイの精神で
クラスがまとまって行き、少年たちが心を通じ合うラストは感動的です。

コッホ先生の成し遂げたことが実話ベースと言うのが凄い。
最初の一歩を踏み出す勇気と力。
周囲を納得させようと根気よく説得する。
そんなコッホ先生がいたから、ドイツはサッカー大国になったんだよね~。
と、サッカーにはあんまり詳しくない私でも、感慨深いものがありました。

コミカルな部分もあるし、少年たちの姿も清々しいし、
観終わった後に優しい気持ちになれる作品です。


公式HPに
映画を観る前にというページがあり
19世紀末のドイツ サッカーは反社会的なゲームだった
とあります。
時代背景を知ると、この作品がより面白くなります。