マダム・イン・ニューヨーク (2012)

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夫と子どものために人生を捧げてきたごく普通のインド人主婦が、ひょんなことから家族に内緒でニューヨークの英会話学校に通い始めたことをきっかけに自信が芽生え、人生の新たな喜びを見出していくさまをハートウォーミングに描いたインド発の女性ドラマ。主演はインドの国民的女優で本作が15年ぶりの復帰作となったシュリデヴィ。監督は本作が長編デビューとなるインド期待の女性監督、ガウリ・シンデー
料理上手のインド人専業主婦シャシは、2人の子どもと忙しいビジネスマンの夫サティシュに尽くす日々。しかし得意のお菓子作り以外では誰からも承認されないばかりか、家族の中で自分だけ英語が出来ないことをバカされる始末。そんなある日、ニューヨークに暮らす姉から姪の結婚式の手伝いを頼まれ、家族より一足先にニューヨークへと向かう。ところが英語ができないことでたびたびトラブルを招き、心はすっかりブルーに。そんな時、“4週間で英語が話せる”という広告を目にした彼女は、家族や姉たちにも内緒で、その英会話学校に通い始める。やがて、世界中から集まった英語が話せない生徒たちとの交流を重ね、英語が少しずつ身についていく中で彼女の心境にも意外な変化が生まれ始めるが…。<allcinema>

2012年 原題:ENGLISH VINGLISH 上映時間:134分 製作国:インド
初めてのニューヨーク 人生の輝きを取り戻す旅
監督:ガウリ・シンデー
脚本:ガウリ・シンデー
撮影:ラクスマン・ウテカル
音楽:アミット・トリヴェディ
出演:
シュリデヴィ/ シャシ
アディル・フセイン/サティシュ
メーディ・ネブー/ローラン
プリヤ・アーナンド/ラーダ
アミターブ・バッチャン
(特別出演)
夏休みだと言うのに、他にすることもなく、結局レディースデーで映画を観ることに。
単館上映のこの作品、受付でレディースデーなので混雑が予想されます。
と言われた通り、満席。プラス追加でパイプ椅子が出されるほどでした。

134分と長尺。
覚悟して臨んだんですけど、長さを感じさせない退屈しない作品でした。

インドの状況が分からないので、主人公のシャシの立ち位置がイマイチ掴めないのですが、
多分、中流以上の家庭の奥さんなんだと思われます。
お料理が上手で、インドのお菓子ラドゥを作っては販売しているほど。
でも、家庭での立場は微妙でした。
家族がみな英語が話せるのに、自分だけ話せない。
料理は自分のためだけに作ればいいという夫。
どれもこれもが、自分の存在を認めらていないことを実感していました。

まずインドでのそういう状況が描かれ、
姪の結婚式のためにNYに行ったシャシを待っていたのは、
英語が話せないことによるトラブルの数々。

家族にしても店の店員にしても、
ちょっと大袈裟かもしれないくらいに、彼女を馬鹿にするんですよね~。
可哀そうというか、同じ立場だったら落ち込んで立ち直れないかも…。
なんて思うけど、シャシは違ってました。

それなら話せるようになろう。
というシャシの決断力と行動力には頭が下がります。
片言の英語で、誰にも頼らずに一人で英会話教室まで出かけ、必死で勉強するんです。
周囲の対応に納得がいかないなら、自分に自信を持てるようにすればいい。
というか、そこにしかすがるものがなかったんでしょうけどね。

英会話教室の先生と仲間たちも楽しい。
そこでの恋物語もインサートされていて、ちょっとドキドキしたり、
姪が陰で応援してくれたり助けてくれたり、
本当に時間をかけて丁寧に描かれているので、観ていて安心でした。

いろんなことがあっても、やっぱり帰るのは家族の元。夫の元。
でも、それは今までと違って新しい場所。
それを自分の手で取り戻したシャシは素晴らしいです。


きっとインド映画じゃなかったら、30分はカットされてるかな~なんて思いました。
そうすると、きっとどこかもやもやした部分が出て、
観終わった後に、こんなに優しい気持ちになることはなかったかも。
なんて思いました。

インド映画らしい歌ったり踊ったりというシーンも、邪魔にならずに盛り上げていました。
結婚式がラストなので、賑やかで華やかで、
その中で英会話教室での成果を披露するシャシのスピーチは、
内容が素晴らしくて感動しました。

オープニング。
シャシの姿がちゃんと現れるまでちょっと時間がかかります。
そして、英会話教室に通っている間はほとんど英語を話しません。
最後にとっているわけです。
そういうちょっとした仕掛けもユニークです。

そしてそして、このシャシを演じシュリデヴィは、50歳でしたー!
年齢不詳だな~って思ったけど、びっくり^^;