君と歩く世界

 「真夜中のピアニスト」「預言者」のジャック・オーディアール監督が、「エディット・ピアフ愛の讃歌~」のマリオン・コティヤールをヒロインに迎えて贈る愛と再生の感動ストーリー。事故で両脚を失ったシャチの調教師と粗暴なシングルファーザーの男が織り成す、愚直で不器用ながらも飾りのない魂の交流を力強い筆致で描き出す。共演に「闇を生きる男」のマティアス・スーナールツ。原作はクレイグ・デイヴィッドソンの2本の短編。それを1つの物語に再構成して映画化。
 腕っぷしだけが取り柄の貧乏男アリは、5歳の息子を連れて放浪を続けた末、姉のもとに転がり込む。ある日、彼は用心棒をしているナイトクラブで他の客とトラブルになっていた女性を助けて自宅に送り届ける。その女性ステファニーは、観光名所のマリンランドで働くシャチの美人調教師。しかし、彼女はショーの最中に事故に巻き込まれて両脚を失ってしまう。絶望にうちひしがれ、心を閉ざすステファニー。ある時彼女はふと、かつてナイトクラブで助けてくれた男アリに連絡を取る。再会したアリは、脚のないステファニーをまるで気遣うそぶりも見せず、ステファニーはかえって気楽さを感じる。そして、いつしか彼の不器用な優しさに惹かれていくステファニーだったが…。<allcinema>

2012年 原題:DE ROUILLE ET D'OS RUST AND BONE 上映時間:122分
製作国:フランス/ベルギー
イメージ 1              光射す方へ 一歩ずつ ふたりで
監督:ジャック・オーディアール
製作:ジャック・オーディアール マルティーヌ・カシネッリ パスカル・コシュトゥー
原作:クレイグ・デイヴィッドソン『君と歩く世界』(集英社文庫刊)
脚本:トーマス・ビデガン ジャック・オーディアール
撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ
美術:ミシェル・バルテレミ
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:
マリオン・コティヤール/ステファニー
マティアス・スーナールツ/アリ
アルマン・ヴェルデュール/サム
セリーヌ・サレット/ルイーズ
コリンヌ・マシエロ/アナ
ブーリ・ランネール/マルシャル
ジャン=ミシェル・コレイア/リシャール
脚を失った女性の苦悩と再生の話、と勝手に思っていたので、
冒頭からかなり意表を突かれました。

男が息子を連れてヒッチハイクするシーンから始まって、
その後お目当てのマリオン・コティヤール登場。
一組の男女の話でした。

アリは無骨な男。
息子を抱えて姉の家に居候することになるけど、発散する術がない感じというのか。
セックスシーンも多くて、それも力任せというのか…。
挙句に格闘で金を稼ぐようになるんですけど。
でも、根はとても優しい。
脚を失くしたステファニーに対しても偏見はないし、
ステファニーが居心地がよかったのも頷けます。

少しずつ距離が近寄っていく感じはあるけど、
それでも恋人同士というほどの熱は感じない。

全体的に台詞が少なくて、映像で語ることが多く比較的単調なシーンの連続です。
光が輝く映像が綺麗でした。

ステファニーの再生は、脚を強調するのではなくて、
アリの人生の軌道修正と交えて描くことで、
お涙頂戴の物語ではなくて、ヒューマンドラマとして観ることができました。