プリズナーズ

 前作「灼熱の魂」が高い評価を受けたカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが、ヒュー・ジャックマンジェイク・ギレンホールを主演に迎えて贈る緊迫のクライム・サスペンス。アメリカの田舎町を舞台に、何者かに掠われた6歳の少女の捜索を巡って繰り広げられる、冷静沈着に捜査を進めていく刑事(ジェイク・ギレンホール)と、自らの手で一刻も早く我が子を見つけ出そうと暴走していく父親(ヒュー・ジャックマン)の対照的な姿をスリリングに描き出していく。共演はヴィオラ・デイヴィスマリア・ベロテレンス・ハワードメリッサ・レオポール・ダノ
ペンシルヴェニア州ののどかな田舎町。感謝祭の日、工務店を営むケラーの6歳になる愛娘が、隣人の娘と一緒に忽然と姿を消してしまう。警察は現場近くで目撃された怪しげなRV車を手がかりに、乗っていた青年アレックスを逮捕する。しかしアレックスは10歳程度の知能しかなく、まともな証言も得られないまま釈放の期限を迎えてしまう。一向に進展を見せない捜査に、ケラーは指揮を執るロキ刑事への不満を募らせる。そして自ら娘の居場所を聞き出すべく、ついにアレックスの監禁という暴挙に出てしまうケラーだったが…。<allcinema>         
イメージ 12013年 原題:PRISONERS 上映時間:153分 製作国:アメリ
愛する娘を奪われた時、父が踏み越えた一線とは。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:アーロン・グジコウスキ
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:
ヒュー・ジャックマン/ケラー・ドーヴァー
ジェイク・ギレンホール/ロキ刑事
ヴィオラ・デイヴィス/ナンシー・バーチ
マリア・ベロ/グレイス・ドーヴァー
テレンス・ハワード/フランクリン・バーチ
メリッサ・レオ/ホリー・ジョーンズ
ポール・ダノ/アレックス・ジョーンズ                               
                     
福岡では一館のみの公開だったかな。
おかげで劇場観賞できず、DVD待ちとなっていましたが、
DVDでも良かったかも…^^;

ハッピーエンド好きですけど、悶々とするような作品も決して嫌いではないです。
ただ、今回のは何というか、単に悶々とするだけではないんですね~。

大事な娘が行方不明になり、その容疑者と思しき男がいて、
でも逮捕されなかったとしたら、親としてどうするか…。
そういう奥深いテーマを取り上げつつ、
ロキ刑事を主軸とした犯人探しのミステリーとしても、良く練られています。

容疑者を演じたポール・ダノ
ロキ刑事がジェイク・ギレンホールと、主役級の俳優たちの名演で
物語に厚みを出しています。

敬虔なクリスチャンの父親が、容疑者を前にして狂気に変貌していく姿が、
今までに見たことがないほどでした。

警察が何もしてくれないからと言って、自ら手を下すのは正義なのか。
自分でやるしかない、そう思いつめた時点で、もう正常ではないですね。
でも、そんな夫を擁護する妻の台詞に、夫は救われるかもしれないけど、
無実だった容疑者にしてみれば、ほんとにいい迷惑です。

だからこそ、もしこれでポール・ダノが犯人だったら、
あまりに薄っぺらい結末になったでしょう。
なので、父親の身勝手な行動の果てに自分を危険にさらしてしまう、という結末は
やはり個人的な恨みで動いた父親を、いさめているように感じました。