博士と彼女のセオリー (2014)

イメージ 1
 “車椅子の天才物理学者”スティーヴン・ホーキング博士と彼を長年支え続けた妻ジェーンの出逢いのエピソードと、試練に満ちた結婚生活に立ち向かう2人の愛の行方を描いた感動の伝記ドラマ。主演は本作の演技でみごとアカデミー主演男優賞に輝いた「レ・ミゼラブル」のエディ・レッドメイン、共演に「今日、キミに会えたら」のフェリシティ・ジョーンズ。監督は「マン・オン・ワイヤー」「シャドー・ダンサー」のジェームズ・マーシュ
 1963年、イギリス。名門ケンブリッジ大学大学院で理論物理学を研究する天才学生スティーヴン・ホーキング。彼は、パーティで出逢った女性ジェーンと恋に落ちる。ところが、その頃からスティーヴンの体調に異変が起き始める。やがてALSと診断され、余命2年と宣告されてしまう。将来を悲観し、ジェーンとの未来も諦めるスティーヴンだったが、ジェーンはひるむことなく、周囲の反対を押し切ってスティーヴンと結婚する道を選ぶ。結婚2年目には長男のロバートも誕生し、当初の余命を越えて生き続けるスティーヴンは、ジェーンの励ましに支えられ、研究者としても着実に実績を上げていくが…。<allcinema>
2014年 原題:THE THEORY OF EVERYTHING 上映時間:124分 製作国:イギリス
車椅子の天才物理学者ホーキング博士。その知られざる愛の物語。
監督:ジェームズ・マーシュ
原作:ジェーン・ホーキング
脚本:アンソニー・マクカーテン
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:
エディ・レッドメインスティーヴン・ホーキング
フェリシティ・ジョーンズ/ジェーン・ホーキング
チャーリー・コックス/ジョナサン・ヘリヤー・ジョーンズ
エミリー・ワトソン/ベリル・ワイルド
サイモン・マクバーニー/フランク・ホーキング
デヴィッド・シューリス/デニス・シアマ
アカデミー主演男優賞を受賞したエディ・レッドメインの高揚した表情が忘れられず、
その苦労や作品に対する愛情と重ね合わせて、
幾度となく胸を詰まらせてしまう…。という2時間でした。

もちろん作品も素晴らしくて、無駄の少ない、見応えのある内容でした。

例えば、スティーブン・ホーキング博士がどんな人か知らなくても、
物理学なんて全然興味なくても満足できる。
というか、思いやりにあふれた生きざまを見せてくれる作品なのです。

すでに病気の兆候が出ているようなスティーブンと、妻ジェーンとの出会い。
惹かれあいながらも、余命宣告されたスティーブンは、
彼女との人生を選ぶことはできない。
そこで引き下がらないジェーンの勝気さ。

愛しているから。
口で言うのは簡単だけど、それを実行するジェーンは本当に素晴らしい。
時は1960年代。
今のようにオートマ化された便利な物があふれている時代とは違い、
何をするのも人力なわけで、それを想像しただけで逃げ出したくなるのは私だけではないはず。
でもそれを否定もできない。

もしかした余命2年だったから耐えられると思ったのかも…。
そんなことも考えてしまいました。

ホーキング一家には、幸せなことに子どもにも恵まれ、
その辺りはお国柄、宗教的なこともあったかもしれませんね。
不自由な夫を抱えて、三人の子持ちになったジェーンが、
教会で知り合った男性に援助を求め、それを認めるスティーブン。
相手のことを想いやっている証ですよね。

ティーブンの人生が長く続くことは、ジェーンの苦しみが続くこと。
夫同様にケンブリッジの才媛だったジェーンが、家事の合間に研究を続けようとしたり、
笑顔より悲しみや苦しみの表情が多くなったことに、
負担の大きさを感じずにはいられませんでした。

その結果、ふたりの選んだ道が別々だったことも、
これが現実であり、そんなに甘い生活ではなかったことを表しています。


思った以上に妻側から描かれているなあと思ったら、原作はジェーンさんなんですね。


主演男優賞を受賞したエディはもちろん素晴らしい。
けれど、ジェーンを演じたフェリシティ・ジョーンズも素晴らしかったです。
ふたりで創り上げたスティーブンとジェーンには、魅せられました。

人を愛することの重さ、力強さ、そして喜びや悲しみ。
いろんな愛情の形が詰まった作品でした。