ジャッジ 裁かれる判事

 ロバート・ダウニー・Jrとロバート・デュヴァルが父子役で初共演を果たした法廷ドラマ。地元で長年尊敬されてきた判事にして殺人の容疑者となった父と、その弁護を引き受けることになった絶縁状態の息子が、互いに確執と葛藤を抱えながら裁判に臨むさまを描く。監督は「ウエディング・クラッシャーズ」「ブラザーサンタ」のデヴィッド・ドブキン。
 母の葬儀のため久々に帰郷したヤリ手弁護士のハンク・パーマー。地元で長年判事を務め、人々の尊敬を集める父ジョセフとは折り合いが悪く、現在はほとんど絶縁状態。葬儀が終わり、早々に引き返そうとしていたハンクに思いも寄らぬ一報が入る。なんとジョセフが殺人の容疑で逮捕されたというのだ。ところがジョセフはハンクの弁護を拒絶してしまう。それでも、頑固に正義を貫いてきた父に限って殺人など犯すはずがないと確信していたハンクだったが…。<allcinema>

2014年アメリカ 原題:THE JUDGE 上映時間:142分
父は犯人なのか。
監督:デヴィッド・ドブキン
原案:デヴィッド・ドブキン ニック・シェンク
脚本:ニック・シェンク ビル・ドゥビューク
音楽:トーマス・ニューマン
出演:
ロバート・ダウニー・Jr/ハンク・パーマー
ロバート・デュヴァル/ジョセフ・パーマー
ヴェラ・ファーミガ/サマンサ・パウエル
ヴィンセント・ドノフリオ/グレン・パーマー
ジェレミー・ストロング/デイル・パーマー
ダックス・シェパード/C・P・ケネディ
ビリー・ボブ・ソーントン/ドワイト・ディッカム
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タイトルや予告から、法廷サスペンスかと思っていたら、
かなり様相が違うではないですが。
どちらかというと、親子や家族を描いたヒューマンドラマでした。

ダウニーさんが演じると、アイアンマンのトニー・スタークとダブってしまいそうだけど、最初はそういう雰囲気がありました。
でも、どんどん人間味あふれていきます。

ヤリ手の弁護士ハンクが、なぜ故郷を捨てたか。
判事として尊敬されている父親が、なぜ自分を嫌うのか。

野球選手として将来を嘱望されながら、断念せざるを得なかった長男と、発達障害の三男。
それぞれの状況を織り交ぜ、
一歩間違えると散漫な内容になるところを、
父親の事件解決と絡めながら、少しずつ真実が見えてくるという、見事な展開でした。

父親の気持ちを知ったハンクの困惑。
そして判決後の姿。
そこにはトニー・スタークの色は、まったくありませんでした。
このシーンは、長男、三男の表情もあり、切なかったです。


殺人としては無実となったものの、事故としては有罪となり、実刑になります。
がんを患っている父親に、それは過酷じゃないかと心配になりましたが、
担当した検事の恩赦申請などもあって、半年で出てきます。
それを迎えに行ったハンクとの時間は、
長く反発し合った親子が、ようやく普通の親子になった時間でした。

父親を演じたロバート・デュバルだけが賞レースにノミネートされたようですが、
ダウニーさんも素晴らしかったです。
もちろん、R.デュバルは名優です。
判事としての威厳に溢れた姿から、病気で老いた姿、息子に対する愛情の表情。
どれをとっても、素晴らしかったです。