杉原千畝 スギハラチウネ (2015)

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 第二次世界大戦下のリトアニアナチスの迫害を逃れてきたユダヤ難民に対して独断でビザを発給し続け、最終的に6000人もの命を救ったことで“日本のシンドラー”とも称された杉原千畝の知られざる真実の物語を映画化した伝記ドラマ。主演は唐沢寿明、共演に小雪。監督は「サイドウェイズ」のチェリン・グラック
 1934年、満州満洲国外交部で働く杉原千畝は、類い希な語学力や調査能力を発揮して、北満鉄道譲渡に関わるソ連との交渉を有利に進めることに大きく貢献した。しかし関東軍との間にトラブルを抱え失意のうちに帰国する。帰国後は外務省で働き、友人の妹・幸子と結婚する。やがて在モスクワ日本大使館への赴任が決まるが、北満鉄道譲渡交渉で見せた千畝の働きに警戒感を抱いたソ連から入国を拒否されてしまう。1939年、千畝はリトアニアの在カウナス領事館に赴任する。そんな中、第二次世界大戦が勃発、ナチスの迫害を逃れたユダヤ難民が助けを求めてカウナスの日本領事館に押し寄せてくるのだったが…。<allcinema>

2015年 上映時間:139分
ひとりの日本人が、世界を変えた――。
監督:チェリン・グラック
脚本:鎌田哲郎 松尾浩道
音楽:佐藤直紀
出演:
唐沢寿明杉原千畝
小雪/杉原幸子
ボリス・シッツ/ペシュ
アグニェシュカ・グロホフスカ/イリーナ
ミハウ・ジュラフスキ/ニシェリ
ツェザリ・ウカシェヴィチ/グッジェ
塚本高史/南川欽吾
濱田岳大迫辰雄
二階堂智/根井三郎
板尾創路/菊地静男
滝藤賢一/関満一朗
石橋凌 大橋忠一
小日向文世大島浩
職場の同僚が試写会に当たって、誘われました。
観たいと思っていたので、ラッキーでした(^^)

基本のラインは、杉原千畝といういう外交官が、
赴任先でユダヤ人のために独断でビザを発給したという話ですし、
その大まかな話は知っている範囲に違いはありませんでした。

ところが、杉原千畝は語学力や洞察力があり、
世界情勢を把握する力に優れていたんですね。
家族や仲間たちとピクニックと称しては、ドイツ軍やソ連軍の動きを探る。
いわゆるスパイの役目も担っていたようです。
諜報能力にも優れていたようで、実はそちらが本筋で、
その結果ユダヤ人を助ける行動に出た、というのではないかと思いました。

多分、日本中にドイツとの同盟を危険だと感じ、
アメリカと戦争してはいけないと声を上げていた人がいたんですよね。
それを潰し、戦争へ進んでいった。
杉原と駐在武官との象徴的なシーンがありました。

そんな中で、杉原の取った行動が多くのユダヤ人を救い、現代に生き続けている。
そういう繋がりを見せられると、感動します。
いつでも感じる感想と同じです。
そういう過去が今に繋がっていると。
だからこそ、同じ過ちを繰り返してはいけない。
その為に歴史を学ぶんだと思うんですよね。

それにしても、レビューを書こうとして杉原千畝という人物を調べたら、
やはり映画では描き切れなかった人物像があって、
とても興味をもちました。
機会があったら、文献を読んでみようと思いました。

演じた唐沢君。
台詞の多くが英語で大変だっただろうけど、良かったです。
奥さんを演じた小雪さん。
好き嫌いが分かれる女優さんかなあ。
個人的には、地味な印象を持つ女優さんなので、
舞踏会みたいな華やかなシーンには不向きかなと^^;
おまけに、当時はこんな服装だったのかしらね、と苦笑いしたファッションでした。

映画は終戦で終わっていますけど、
その後杉原が救ったユダヤ人の話だの、
杉原一家の話だの、実はまだまだ続くんですよね。
いろんなことに思いを馳せる作品でした。