クリーピー 偽りの隣人 (2016)

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 第15回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた前川裕のベストセラー『クリーピー』を「ドッペルゲンガー」「岸辺の旅」の黒沢清監督が映画化したミステリー・スリラー。犯罪心理学者の主人公が、謎めいた隣人によって妻との平穏な日常を浸食され、いつしか深い闇へと引きずり込まれていくさまをミステリアスに綴る。主演は「ストロベリーナイト」「MOZU」の西島秀俊、共演に竹内結子香川照之川口春奈東出昌大
 大学で犯罪心理学を教える元刑事の高倉。郊外の一軒家に引っ越し、妻・康子と2人で穏やかな新生活をスタートさせる。ある日彼は、刑事の野上から6年前に起きた未解決の一家失踪事件の分析を依頼される。事件の鍵を握るのはひとりだけ残された一家の長女・早紀。しかし彼女の当時の記憶は曖昧で、事件の核心にはなかなか近づくことができない。そんな中、高倉と康子は、謎めいた隣人・西野の不可解な言動に次第に振り回され始めるのだったが…。<allcinema>

2016年 上映時間:130分
あの人、お父さんじゃありません。
全然知らない人です。

監督:黒沢清
原作:前川裕『クリーピー』(光文社刊)
脚本:黒沢清 池田千尋
音楽:羽深由理
音楽プロデューサー:高石真美
出演:
西島秀俊 高倉幸一
竹内結子 高倉康子
川口春奈 本多早紀
東出昌大 野上
香川照之 西野
笹野高史 谷本
こりゃまあ、どうしたもんだ。
というのが観終わっての感想。
原作が面白かったので、映画化には期待していたんですよね。
西島&香川のおなじみのキャストだし…。

でも、奥さん役に竹内結子がキャスティングされていたことで、
内容が変わったことを予見しておくべきでした。

薬物なんて原作には全然出てないし、
警察の同僚だった野上と隣人西野の関係だとか、
省略された登場人物など、物語の核心部分が全部変わってしまっている。

挙句、何の説明もないままに西野が死んじゃうなんて、
あり得ないでしょう。

クリーピーって(恐怖のために)ぞっと身の毛がよだつような、とか
気味の悪い、という意味があって
そういう不気味さがかなり薄れていました。

前半の話が、全然解決されないままにあっという間に結末を迎えてしまって、
本当に残念。
なので、たとえ原作未読者だったとしても、
謎が未解決のままですっきりしないと思うんですよね。

西野と名乗った男はいったい何者だったのか、
娘との関係は。
どうして西野家に入り込んでいたのか。
あの家のつくりはどうなってるの、とか。

時間切れ、力技で無理やりおしまいにした、そんな結末に、
ただ唖然とするばかりです。

香川照之の不気味さは、さすがだなあと思うし、
西島秀俊は、いつも通りカッコいいし、
男ばかりの中にあって、竹内結子は安定の美しさで、
キャストは申し分ないですね。