ストリート・オーケストラ (2015)

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 ブラジル、サンパウロのスラム街を舞台に、未来に希望を持てなかった子どもたちと挫折したヴァイオリン教師が出会い、やがて交響楽団を誕生させるまでの奇跡の実話を映画化。主演は自身もスラム街出身というブラジルの人気俳優ラザロ・ハーモス。監督は「セントラル・ステーション」で助監督を務めたセルジオ・マシャード。
 かつては神童と呼ばれたヴァイオリニストのラエルチだったが、あがり症が克服できずサンパウロ交響楽団のオーディションに落ちてしまう。落胆し途方に暮れるラエルチは、生活のためにスラム街の学校でヴァイオリン教師をすることに。しかしそこで彼が目にしたのは、楽譜が読めないどころか、過酷な日常を生き延びるのに精一杯で、音楽に対して少しもやる気の見られない子どもたちの姿だった。<allcinema>

2015年 原題:TUDO QUE APRENDEMOS JUNTOS THE VIOLIN TEACHER
上映時間:103分
製作国:ブラジル
奏でよ、希望を! 拓け、未来を!
監督:セルジオ・マシャード
原案:アントニオ・エルミリオ・デ・モラエス
脚本:マリア・アデライデ・アマラウ マルタ・ネーリング セルジオ・マシャード マルセロ・ゴメス
音楽:アレシャンドレ・ゲーハ フェリペ・デ・ソウザ
出演:
ラザロ・ハーモス /ラエルチ
サンドラ・コルベローニ/アジー
カイケ・ジェズース/サムエル
エウジオ・ヴィエイラ/VR
フェルナンダ・フレイタスブルーナ

今回はネタバレあり。注意!


音楽映画は観たくなるのが常で。
ブラジル作品なので、今回はちょうどリオでオリンピックがあっていたので、
ほんとにタイムリー。

こんなことがあったんだと、事実ベースの作品を観るといつも思うけど、
今回も同じ感想でした。
ただ、音楽オンリーではなく、警官による少年の射殺という衝撃的な事件が絡んで、
些か欲求不満に陥った。

ヴァイオリニストのラエルチは、交響楽団に入団したい。
一流の演奏家として活躍したい。
そういう青年の悶々とした思いがまずあって、
お金のためにやりたくない仕事を引き受けて、そこでスラム街の子供たちに出会う。
そこから目線が子供たちに変わるわけで、
いわゆる暴力団みたいな輩から脅されている少年の話があったり、
ヴァイオリンの才能があるけど、親から反対されている少年の話があったりと
音楽以外の話がてんこ盛り。

おまけに、その才能ある少年が警官に射殺されるという事件があって、
音楽はどこへ行っただろうと思っていると、
少年の追悼コンサートや、ラエルチの再度の入団オーディションがあって、
後半に演奏シーンがあるけど、やはりそのあたりが薄いのが残念でした。

予告を観たとき、勝手な想像で、
子どもたちがどんどん上達するシーンがメインだと思っていたんですよね~。

なので、個人的な評価は低めです。
でも、ラエルチのオーディションのシーンだったり、
追悼コンサートに向けての練習に、ラエルチの仲間が指導したり、
最後の楽団の演奏会だったりと、ちょっとずつの演奏には感動しました。

警官に対してのデモは、ドキュメンタリーみたいに生生しくて、胸が詰まりました。
強烈な印象を残すシーンです。

オチは、演奏会の切符を買うシーンかな。
カード詐欺をはたらいてた子供が、カードで切符を買う。
いや~。大丈夫かしら、と思って冷や冷やしました。