小説・地下鉄に乗って

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地下鉄に乗って~浅田次郎



初めての浅田作品です。
映画が始まる前に読もうと思って手にして早一ヶ月・・・。
いつになったら読み終えるかと思っていたのですが、
ようやく読み終わりました。

最後はいっきに百ページぐらい読み通したのですが、
これは後半が面白いんです。

同窓会の後、地下鉄に乗って帰る途中で
何故だかタイムトリップして過去、
・・・一番嫌な思い出の時代・・・に行ってしまうところから始まって
気がつけばちゃんと現代に戻ってる。
という、現代と過去を行きつ戻りつするんです。

過去はどんどん遡って、いつのまにか自分が生まれる前、
両親が過ごした時代へ行き、そしてもっと遡っていく・・・。
なぜそんな時代を見せられるのか分からないうちに、
自分の気持ちが少しずつ変わっていく。

最後に、『親っていうのは、自分の幸せを子供に望んだりはしないものよ』
この台詞に涙がこぼれました。

人は、何故自分が生まれたか、親は何を考えて自分を育てたか。
そんなことを知りたいと思うのでしょうか。
愛されてたと、実感したいのでしょか。

すべてを知ってるから理解しあえるものじゃないですよね。
血がつながってるから理解しあえるものでもないでしょう。
お互いが努力するから理解しあえる、と思ってます。
だから、親がどう生きたかなんて知りたいとは思いませんが、
この作品で感じたことはそういうことではなくて、

男女の愛も、家族愛も、それは人を優しくさせてくれる

ということでしょうか。
う~ん・・・文章にするのは難しい・・・!

時代描写や風景描写が綺麗で、それだけで充分に描くことが出来ます。
はたして映画はどうでしょう。
観たいような観たくないような・・・。