小説・手紙

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またしても映画の原作本を手にしてしまいました。
"東野圭吾氏"の作品は、【変身】に続いて2作目です。
・・・ちなみに、【変身】も映画になってますよね。

強盗殺人で服役してしまった兄・剛志を持つ弟・直貴。
進学も就職も、恋愛も、剛志の所為ですべてを諦めてきた直貴には、
毎月剛志から手紙が届く。
読むたびに現実を思い知らされ、
ついには剛志の存在を消してしまおうとする直貴。

『強盗殺人犯の弟』
犯罪加害者の家族の苦しみを描きながら、現実を見せつけられていきます。
差別は当然なんだよ、と言う言葉に、反論は出来ませんでした。

身近にそういう人がいたら、関わりあいたくないと思うでしょう。
その人が犯罪を犯したのではなくても、
やはり出来るなら、害が及ばないところにいて欲しいと思うでしょう。

それが差別なのだと書かれています。

重い内容でした。
でも、決して途中で投げ出そうとは思えなかったのは、
文章が、登場人物の誰にも偏っていなかったからだと思います。
誰にもその人の人生の正義があるのです。
それを感じることが出来たから、
一方的に誰かを悪者にせずに、読み進めることが出来たのだと思います。

この後剛志と直貴はどうなっていくのか、思いを巡らせてしまいました。
どうか穏やかな日々が訪れますように・・・。

《おまけ》
  後半は、映画の配役方達が登場人物になっていきました。
  おそるべし映像!