ノスタルジア

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著者: 小池真理子

幻想に彩られた人外の恋

妻子ある父の友人と恋に落ち、突如その死を看取った。それから15年、武蔵野の路地裏でひっそりと暮らす繭子のもとに故人と瓜ふたつの息子・俊之が訪ねてきた。胸騒ぎはやがて懐かしさに変わり、人生の半ばを過ぎた2人は逢瀬を重ねていく……。圧巻のラストシーンが胸をうつ、大人のための幻想恋愛小説。
(BOOK倶楽部)


ミステリー物ばかり読んでいたので、
ちょっと違った作家さんを、と選んだ作品でした。

小池真理子作品は、数冊読んだことはありますが、
男と女の愛情を、さまざまな角度から描いてあって、
けっこう重い内容だったりするんですよね…。


描写の細かさ。
映像が浮かんでくるような表現です。
感情表現も、手に取るように伝わってきます。

主人公の繭子の喜びも悲しみも怒りも、本当によく伝わってくるのです。

そして今回は、予想外の展開が待っていました。
…途中でそれらしき伏線はあったのですが…。


でも、人を愛するって凄いことだなと思えます。

普通ではない恋愛を、真剣に全うした繭子。
最後には自分を愛したのかな、そう思いました。


現実的ではないけど、
でも小説の中でくらい、こんなまっすぐな恋愛をしても良いじゃない。
なんて思える作品です。

大人の恋愛小説です。