幸せになりたい

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幸せになりたい 文庫版
 ■出版社: 祥伝社
 ■著者名: 乃南アサ
 
おぞましい7つの愛の物語…

「結婚しても、愛してくれる?」
<今夜、桐江は恋人だった。が、明日からは愛人になる>
家庭的な真純と性に奔放な桐江――大手商社に勤める敏腕社員の依田は2人の女性とつき合っている。人生の伴侶には真純を選ぶが、桐江との関係も続けたい。結婚前夜、依田は密(ひそ)かに桐江の部屋で過ごした。が、その夜の甘い会話には、艶麗な罠が潜んでいた……。(「二人の思い出」より)男女の愛憎を描く傑作心理サスペンス。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
久々に読書しました。
短編集なのですぐに読めます。
 
 
【キャンドル・サービス】
玉の輿にのる女性の思いこみから起こる、披露宴での悲劇。
【背中】
不倫から結婚した男は、外と家庭で見せる姿が違っていた。
【お引っ越し】
上昇志向の強い男が、社内で嫌っていた女子社員が、実は上司の後妻に入るどんでん返し。
【たのしいわが家】
住み込みで働く母娘の過去と、同じ男に振り回される悲劇。
【口封じ】
家庭のうっぷんを、入院患者ではらす付添婦に起こる悲劇。
【挨拶状】
昔の恋人の出現によって、カメラマンとしての自信を失くしていく怖さ。
【二人の思い出】
二股をかける男が、結局はどちらにも捨てられる哀れさ。
 
といったお話です。
男性が主人公で進行する話もありますが、
必ず女性によって運命を狂わされていく怖さが描かれていて、
見ようによっては、バカだな~と思えることもあります。
でも、もしかしたらあり得るかも、なんて思えるリアルさも感じられる作品群です。
まあかなり極端な展開ではありますけどね(^^ゞ
 
ただ、タイトルに意味する通り、
誰もみな幸せになりたいと必死なんです。
その必死さが空回りしていったり、
思い込みを生じさせていったり…。
 
どんな結末に向かうのか、ページをめくるのが楽しみで、
作者の構成や文章力の高さを感じられました。